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第69回
世界のSAKEブランド「獺祭」のライスミルクで乾杯!
~米粉を再利用したアレルゲンフリー・添加物フリーの新飲料~

次の売れ筋をつかむ術

 

 
朝から「獺祭」(だっさい)で乾杯!超ウマイ!!
 
といっても日本酒ではなく、
お酒を造る際に使用する原材料のお米・山田錦を削って出た副産物の米粉から生まれた、
アレルゲンフリーの「ライスミルク」だ。
 
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「糠(ぬか)=米+康」の漢字の通り、
玄米の部分にお米の80%もの健康に良い栄養分が含まれていると言われる。
 
「獺祭ライスミルクサミット」に参加して、
桜井博志社長、桜井一宏副社長からご紹介いただいて以来、
「獺祭」のお酒のみならず、「獺祭ライスミルク」にハマっている。
 
ウマくてゴクゴク飲めるし、お陰で日々調子がいい!
 
世界的に人気上昇中の「ライスミルク」とは、一体、どのようなものか?
 
そして、「獺祭」から生まれた「ライスミルク」は何が違うのか?
 
 
●「獺祭」~日本が誇る世界のSAKEブランド~
 
日本酒は、この約50年ほどで市場規模が3分の1にまで縮小している。
 
そんな中、山口県岩国市の周東町という人口500人ほどの小さな町にある
旭酒造(桜井博志社長)が造る純米大吟醸酒「獺祭」は、破竹の勢いで売り上げを伸ばして来た。
 
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「獺」とはカワウソのことで、同社のある「獺越」(おそごえ)という地名から一字が取られている。
 
安倍晋三首相が、オバマ米大統領との会談の際、
首相の地元・山口県産の「獺祭」をプレゼントしたことでも有名になった。
 
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今やニューヨークで「SAKE」といえば「獺祭」と言われるほどの人気ブランドとなっている。
 
また、食の都パリの3つ星レストランのワインリストにも載り、
「日本のロマネコンティ」とさえ呼ばれる。
 
桜井社長のこだわりは、量ではなく質だ。
 
「酔うため、売るための酒ではなく、味わう酒を追求したい」と説く。
 
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酒米の王様と呼ばれる山田錦を最大168時間かけて精米し、
日本最高水準の精米歩合23%の純米大吟醸を造っている。
同社平均の精米歩合でさえ35%もある。
 
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しかし、それだけ米を削るということは、それだけ多くのフードロスが生じる。
その割合は、全国の酒造メーカーの平均の倍に上る。
 
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●米粉を再利用したアレルゲンフリー・添加物フリーの「獺祭ライスミルク」
 
30年来、御縁を頂戴しているギリーの渡辺幸裕氏のご案内で、2016年7月末、
東京・帝国ホテルにて開催された、「獺祭ライスミルクサミット」に参加させていただいた。
 
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冒頭、桜井博志社長は、
 「お米からお酒を造る際に生まれる米粉や酒粕といった副産物を、
  美味しいもの・価値あるものに再利用することは、
  日本でお酒を造らせていただいている旭酒造の使命です」
と力強く述べた。
 
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そして、「獺祭」を造る過程で山田錦を精米した際に出る米粉を再利用した、
アレルゲンフリー・添加物フリーの「獺祭ライスミルク」がふるまわれた。
 
本邦初公開・世界初公開のライスミルクをいただき、自然な甘さとまろやかさにうっとりした。
 
そして、帝国ホテルの望月完次郎シェフパティシエが腕をふるった、
このライスミルクを使った、さまざまなデザート・スイーツが運ばれて来ると、
女性参加者を中心に歓声が沸き起こった。
 
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「獺祭ライスミルク」は、2016年9月5日から販売がスタートしている。
 
また、このライスミルクを使ったデザートは、
帝国ホテル1階にある「ガルガンチュワ」のショップで購入することができる。
 
その他にも、旭酒造では、お酒を造る際に生まれた米粉や酒粕を使った
さまざまな製品を製造・販売している。
 
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●欧米では"豆乳の健康神話"はとうの昔に崩壊!?

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日本でも、近年、テレビなどマスコミでも報じられているように、
若い女性を中心にライスミルクの人気が上昇している。
 
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しかし、日本人の多くは主食がコメにもかかわらず、牛乳に代わるミルク系飲料としては、
今も豆乳が圧倒的な強さを誇っている。
 
わが国で豆乳の人気が根強い理由は、美味しいからというより、健康に良いから、
そして、女性は美容に良いイソフラボンが手軽に摂取できると、思われているからだろう。
 
しかし、「獺祭ライスミルクサミット」における、
旭酒造と協働で開発に取り組んだ群栄化学工業の諸江誠氏による、
ライスミルクの世界的な市場動向についての説明を聞いた参加者の多くは、驚きを隠せなかった。
 
日本では意外に知られていないことだが、実は、欧米では、
豆乳をはじめ大豆製品の多くは、遺伝子組換の大豆から作られたものが多く、
また、遺伝子組換でなくとも、製法や食べ方などによっては体に良くないと、
研究者やマスメディアが警鐘を鳴らしており、豆乳の健康神話はとうの昔に崩壊しているのだ。
 
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日本は世界最大の豆乳消費大国で、現在も市場は伸び続けている。
 
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一方、アメリカでは、豆乳などの大豆製品の摂取が遠因とされる健康被害が広く報道され、
2005年をピークに売上は停滞し、豆乳市場は急速に縮小している。
 
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検索エンジンで「豆乳」と検索すると、健康に良い、美容に良い、ヘルシーなど、
ほとんどネガティブな記述は見当たらない。
 
ところが、「soy milk」と検索すると、
本当に体に良いのか、飲むな、市場から消えるといったネガティブな記述が数多くみられる。
 
さらに、「soy milk bad」と検索すれば、批判的な記述の多さに驚かされる。
 
欧米では「日本人をはじめ東洋人は豆乳を飲んでいるので長寿だ」などと喧伝され、
20世紀末に豆乳が広がったと言われる。
 
しかし、日本では昔から豆乳を飲む習慣などほとんどなかった。
 
ところが、1980年前後から、「中国の鄧小平も飲んでいる健康に良い飲料」などと言われ、
味や香りを調整した豆乳飲料が浸透して行った。
 
もともとの豆乳の作り方は、まず、長時間、大豆を水に浸けて、十分に柔らかくする。
 
そして、水を加えて、石の挽き臼で砕いた大豆を袋に詰め、重石をして、
ゆっくり水分を搾り取る。
 
残った大豆ペーストをきれいな水で煮て、
表面に浮き出す自然毒を含んだ灰汁を残らず取り除いて作られる。
 
ところが、現在の製造されている豆乳の中には、製造過程でビタミンの多くが失われ、
自然毒を含む灰汁が残ったまま化学的に処理されているものも少なくないと言われる。
 
今やアメリカにおいては、たとえ遺伝子組換でないオーガニック大豆から作った豆乳でも、
必ずしも健康に良いとは言えず、
女性の更年期障害の症状緩和効果も見られないと結論付ける論調が主流だ。
 
日本において、豆乳の市場が、今後、どのように推移するかはわからないが、
既に世界の潮流は、豆乳を完全に離れ、ココナッツミルクやライスミルクに代わっている。
 
 
●「糠(ぬか)=米+康」~玄米の部分にお米の80%の健康に良い栄養分がある!~
 
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「糠(ぬか)=米+康」の漢字の通り、
玄米の部分にお米の80%もの健康に良い栄養分が含まれていると言われる。
 
ぜいたくにも、その部分を削り落として造った日本酒を楽しむと同時に、
フードロスを減らすためにも、
削った副産物から生まれたライスミルクを試さないのは、"もったいない"。
 
和食が世界文化遺産となり、世界中の人たちに、寿司、日本酒、米菓をはじめ、
お米由来の食品が人気を博している今、
みずほの国のお米から生まれた「獺祭ライスミルク」を、ぜひお試しいただきたい!
 
 

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