menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第255号 店舗数が逆転した「無印良品」の海外戦略

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 ご存知の通り、私は中国やASEANに出向くことが多いので、様々な日本企業の出店を見かけるが、その中でもひと際よく目にするのが「MUJI」の看板である。「こんな地方都市のショッピングモールにも出店しているのか!」と、たびたび驚かされている。
 
 その「MUJI:無印良品」は、昨年、ついに海外店舗数が423店と国内店舗を初めて逆転した。中国の200店超えを筆頭に、ヨーロッパ・アメリカ・アジア各地に出店しており、近年ではASEANで出店攻勢を強めている。海外事業の要となる中国店舗の営業収益は、550億円と全グループの16%を占め、中国を含める東アジア地域においては、4割を稼ぎ出している。このように無印良品は、ユニクロ同様に海外でも稼げる小売りに成長し、着実に業績を伸ばしているわけだ。
 
 さらに、中国での「MUJI」人気と知名度を生かし、今年1月18日、中国・深圳市に世界初の無印良品のホテル「MUJI HOTEL SHENZHEN」を開業した。この深圳に続き、3月20日には中国・北京、2019年春には東京・銀座での開業を予定している。現業との親和性が高いホテル事業とはいえ、新規事業を日本ではなく中国からスタートさせたことに、中国市場に対する自信と世界戦略の方向性がみてとれる。
 
 とはいえ、無印良品の中国進出は1991年。今から27年も前のことで、決して順調に拡大してきたわけではない。一時期は香港撤退という苦い経験もあり、現在の海外事業の成功は、数々の失敗を糧に掴み取ったものである。中国人は、派手好みと言われていたが、シンプルさと自然志向を追求している無印良品は、香港から人気に火がつき、中国全土に波及していった。
 
 商品の世界観を伝えることに長け、ローカライズと仕組み作りを徹底して行っている無印良品。小売業にとどまらない今後の海外戦略に注目していきたい。
 
 
 
 
書籍 白川博司著 『中国通販成功マニュアル』 好評発売中

第254号 291兆170億円前のページ

第256号 6兆7000億円次のページ

JMCAおすすめ商品・サービスopen_in_new

関連記事

  1. 第266号 777商品

  2. 第160号 デジタルカタログの台頭

  3. 第215号 75兆円

最新の経営コラム

  1. 相談7:含み損のある土地があるのですが、別会社で買うのがいいか、個人で買うのがいいか、どちらでしょうか?

  2. 第9回 注意しても部下が変わらないのはなぜか? ~原因は人ではなく仕組みにある~

  3. 第146回 地味ながら世のクラウド化の追い風を受けて高成長を遂げる サイバーリンクス

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. サービス

    109軒目 「《復活の伝説の鮨職人》小松弥助@金沢駅」
  2. マーケティング

    第10話 「絞込み」の必要性と重要性
  3. キーワード

    第1回(イメージを大胆に変える)「グレートアントニオ」
  4. マネジメント

    組織を動かす力(13)織田信長に見るワンマン統治の落とし穴
  5. 税務・会計

    第13回 売りモノの商品力が強く、高くても買ってもらえる
keyboard_arrow_up