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マネジメント

第二十五話 現場から聞きだせ(スウィード)

社長の口ぐせ経営哲学

成熟した市場では一段と競争も激しく、従来のやり方、普通の売り方では勝負にならない。 
モノが簡単に売れない状況が続いている。
そういう行き詰った状況こそ「わが社の出番」という戦略性の高い販促代行の会社がある。
化粧品の販促企画会社を業務の中心軸に置き、成長を続けているのが
株式会社スウィード(本社・東京都文京区、青木政勝社長)である。


大手の化粧品メーカーや大手スーパー、ドラッグストアなどの量販店から依頼を受けて、
化粧品販促のスペシャリストを現場に送り込んでいる。
会社を設立して15年になるが、顧客との接点である化粧品売り場に「ワゴンセール」
という画期的な販促施策を本格的に初めて展開したのが同社である。


青木社長は「話の上手い美容の専門家」を育てるのが企業発展の決め手である、と言い切る。
表現力のある男女(平均25歳から35歳まで)を人材募集し、 短期間の研修で現場に出せるスタッフづくり、派遣先の
クライアントから納得のいく販売促進の仕事ぶりに対しての評価を勝ち取るというのが同社の一貫してきた業務である。


ある意味では化粧品は成熟した商品である。
販売の仕方が細分化して、顧客に上手くフイットする販売員を育成している。
技術レベルの高い「メーキャップ アーティスト」、集客効果が上がる「ワゴンナレーター」、
通常の販売員(美容部員)、新商品の紹介をする「サンプリングスタッフ」、
確実に売り上げにつな がる「メーキャップナレーター」など、販売員そのものも細分化している。
販売員の形態の細分化が起こっているという。


行き詰るからこそ知恵も出るし、力もつくという。
中国の王陽明の言葉に「事上磨錬」がある。
これは日々の仕事の中で自分を磨けという意味である。
この事上磨錬を座右の銘にしている経営者も少なくない。
その意味するところは現実の中から、そして、現場の最前線の中から、いろんなことを学べということに通じ る。
現場こそいろいろな体験を積むことができる。


青木政勝社長は
「最近、明らかに売り方が違ってきています。『現場から聞き出す』ことを徹底し、1現場1枚のA4版の報告書の中から、
変化する顧客の ニーズ、クライアントが抱えている問題点(ニーズ)を見極めることを大切にしています。他社との差別化
を狙い、先取りした新しい企画を提案することに執念 を持っています」と言い切る。
青木社長の口ぐせも「現場から聞きだせ」を徹底している。


青木社長のいう「企画を提案する」ということは、常に変化する現場の最前線で売り方をいつも研究しながら、
新しいやり方(企画提案)を創り出していると いうことである。価格競争だけでは商売は成り立たない時代である。
価格は平均値でも、顧客が納得して支持し、購買意欲を駆り立てるような売り方を目指しているのだ。



                                                             上妻英夫

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