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健康

第25号 3大疾患~予防のココロ(4)心臓病

おのころ心平の ──社長のための「か・ら・だマネジメント」

 「タイプA」という言葉を、みなさんもどこかで耳にしたことがあると思います。
 『タイプA性格と心臓病』(M.フリードマン、R.H.ローゼンマン著/創元社)という有名な本がありますが、著者であるフリードマンとM.ローゼンマン・R・Hが、狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患になりやすい性格傾向を研究し、それを「タイプA」行動パターンと名づけたのが発端です。

ono25-1.jpg 「タイプA」の概要をまとめると、
 ●身体面では、
 ・高血圧
 ・高脂血症
 ・狭心症
 ・心筋梗塞などの心臓疾患になりやすい
 ●行動面では
 ・機敏
 ・せっかち
 ・多くの仕事に巻き込まれている
 ●性格面では
 ・競争的
 ・野心的
 ・精力的
 ・何事に対しても挑戦的
 ・出世欲が強い
 ・常に時間に追われている
 ・攻撃的で敵意を抱きやすい
 といった特徴があります。

 みずから進んでストレスの多い生活を選ぶ人、仕事中毒、予定中毒の人は、総じて「タイプA」といえるでしょう。

 一方、「タイプB」というのも挙げられており、それは、
 ・あくせくせずしない
 ・マイペースに行動
 ・リラックスがうまい
 ・非攻撃的
 などの傾向を持つ人のことです。 
 タイプBに対し、タイプAの人は、2倍も心臓疾患になりやすいことが報告されました。

 ちなみに「タイプC」は、
 ・いわゆる「いい子」
 ・真面目
 ・几帳面
 ・自己犠牲的
 ・周囲に気を遣う
 ・譲歩的
 ・我慢強い
 ・怒りなどの否定的な感情を表現しない
 といった特徴を指し、このタイプはガンになりやすいと言われています。

 ただ、人間をタイプA,タイプB,タイプCなどと3等分はできないし、この3つの要素を複雑に織り交ぜながら、ひとりひとりの個性を生じさせると思います。

 そして、私は、「タイプAは心臓が弱い」というのには、少し異論があります。
 本当に心臓が弱い人というのは、心優しく、自分よりも他人を優先する傾向があります。
 その理由は、以下の通り。
 長い長い生物の進化の過程で、人の循環器系は、
 血液 
 ↓ 
 毛細血管
 ↓ 
 動脈、静脈 
 ↓
 大動脈、大静脈
 と構築されていき、最後の方で、やっと「心臓」ができるという形で発達してきました。

 何となく、心臓が先にできて、そこからニョキニョキと血管が伸びていくようなイメージがあるでしょ? 

 事実は逆。末端の毛細血管の方が先に存在し、その道路整備がなされ、より効率よく血液を運搬するための高速道路(大きな動脈、静脈)が生まれ、最後にそれを統括するように、心臓が出来上がったというプロセスなんです。

 ですから、心臓は、いつもかカラダの隅々にまで気を遣っています。心臓の弱い方の特徴は、とにかく周囲の人の気持ちが気になってしまう方が多いのです。

 「あなた大丈夫ですか?満足してますか?楽しんでますか?」
 「私は何を期待されているのだろう?」
 「十分期待に応えられているだろうか?」
 「これでいいのか?違うとしたら、私はどんなことをすればよいのだろう?」…
 こうした人は、心臓弁膜症や、動悸、体温調節不良、めまいなどを起こしやすい。

 一方の「タイプA」に見られる心筋梗塞や狭心症を起こしやすい人というのは、逆に「心臓が強すぎる」人なのです。

ono25-2.jpg 心臓は「心筋」という酸素を大量消費する筋肉でできていますから、心臓自身にも十分な血液が必要です。

 心筋に血液を送っている動脈を「冠動脈」あるいは「冠状動脈」と言います。この「冠動脈」には、カラダ全身に送られる血液総量の5%もの血液が流れ込みます。

 狭心症や心筋梗塞は、端的に言って心臓というより、この「冠動脈」の病気です。あまりに強すぎる心臓の力に周りの冠動脈が追いつかず、ここが動脈硬化、けいれんなどを起こして生じるものなのです。

 俗に、「心臓に毛が生えている」などと言いますが、こうした人こそタイプA、三大疾患に加えられるいわゆる心臓病(心筋梗塞、狭心症)を発しやすいタイプです。

 強すぎる心臓というのは、いわばトップダウン形式で、
 「俺はカラダの中心だ、俺を中心にカラダは回っている」
 「だから、きみはこうすべきだ」
 「言われたとおりにすれば間違いない」
 「おれに間違いはない。王様は俺だ!」…
 などと、自分を絶対だと思っています。

 でも、心臓病というのは、決して心臓だけの病気としては成り立ちません。進化の過程が示すように、末梢の血管、血液の課題が最終的に心臓に反映された結果、起こるのです。

 抹消血管と心臓と、それを仲介する冠動脈と。これらのバランスがよければ、心臓病を必要以上に恐がることはありません。

 心臓病の予防策には、いつも開かれたコミュニケーションが必須。とくに、目下の人の意見を十分取り入れることが大事です。

 ちょっと独断専行かな?と感じたら、ぜひ心臓に手を当てて、本来の人を思いやるココロに思いをめぐらせて下さいね。

 ※自然治癒力学校HPをリニューアルしました。
 http://cocokarafamily.com/info/nature/index.html 

 

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