本屋へ行くと、トイレに行きたくなるって、経験ありませんか?
本好きの人はいつもトイレに本を持ち込むから、カラダが条件反射してしまうのだ、という説があるそうですが、なるほど、それは一理ある、と思いました。
僕も、大の本好きです。出張での移動や、オフィスの行き帰り、トイレにも必ず本を携えて入ります。活字中毒、という言葉があるそうですが、まさにそれですね。
頭に文字ばっかり浮かべて、これはこれで健康によいのか?という疑問はありますが、それでも、とくに飛行機や新幹線での移動などでは、本がなければ落ち着かない。重くなろうとも、どうしても2~3冊は、かばんに詰め込んでしまいます。
本屋で、尿意や便意をもよおすというのは、副交感神経が働いている証拠ですね。副交感神経は自律神経のうち、カラダを緩和させ、リラックスに導く方の神経です。
本好きの人にとっては、本屋はお風呂みたいなもの。あるいは、ドラッグストアのようなものかもしれません。
1時間、2時間を本屋というイマジネーションワールドに浸って、「おー、これは!」という本に出逢ったりなんかすると、もう大興奮。その本を全部読んでしまう前に、もう、その本は役割を終えていたりします。
その結果、積読(つんどく=本は買うけど、積んだまま)という現象が起こるわけですけど、僕の本棚も、ついつい「いつか読まれるはずですよねー」という本たちが、所狭しと並んでいます。
それでこの夏、意を決して、分厚い本から紐(ひも)解いていくことにしました。今回は、そんな夏の読書から、いくつか珠玉の本を、ご紹介したいと思います。
まず最初は、【中村天風 著】『成功の実現』(日本経営合理化協会出版局)
僕が、本メールマガジンを執筆させていただくのを機に、協会役員の方から頂きました。9,800円という価格がついていますが、こうなると、読むほうも心してかかりますね。
数年ぶりに改めて紐解いていくと、中村天風先生の肉声がすぐそばから伝わってくるような、そんな安心感と清涼感を感じました。「人生、十分味わって生きなきゃ損だぞ!」
最近の、いわゆる成功本とは、ワンランクもツーランクも上。そもそも、成功とは何ぞや?ということを深く熟考させられます。
『人は原子、世界は物理法則で動く』
マーク・ブキャナン 著/白揚社(2009/06/20 出版)
この刺激的なタイトルに引かれて、手にとりました。今、物理学は量子の時代ですが、量子の振る舞いは、「量子場」という量子を取り巻く「環境」と、切っても切り離せない。
これは、『場の思想』清水 博 著/東京大学出版会(2003/07/17 出版) と合わせて読むと、なお効果的です。社会と個人のつながりというのが、リアルに再確認できてしまいます。
原子を人として見るなら、ひとつの細胞をひとりの人間として考えてみるのは?
『「思考」のすごい力―心はいかにして細胞をコントロールするか』
ブルース・リプトン 著/PHP研究所(2009/02/03 出版)
は、生物学の世界ではタブー視されている「細胞を、擬人化する」ことへの果敢な挑戦がなされています。細胞だって生き物。細胞のひとつひとつの思考が、僕らの思考を創っているのだとしたら? 著者、訳者の名文で、楽しみながら一気に読み干せました。
『宇宙につながる第8のチャクラ』
ジュード・カリヴァン 著/徳間書店(2009/07/31 出版)
いわゆる「チャクラ」に関する本はたくさん持っているので、「いまさら~」なんて気分で手にとってみてびっくり。著者は、かの有名なアービン・ラズロ(物理学者、哲学者)とも共著を書いた女性。物理学をもとにスピリチュアリティを解説したすばらしい内容でした。
『ニュー・アース―意識が変わる 世界が変わる』
エックハルト・トール 著/サンマーク出版(2008/10/25 出版)
ここ最近の世界の流れ、社会構造の変化を見ていると、まさに僕らが窺い知れない何か大きな地球の意識が働いているように感じます。そうした洞察に満ち満ちた非常に貴重な一冊です。
『超・階級 ― グロ-バル・パワ-・エリ-トの実態』
デヴィッド・ロスコフ 著/光文社 (2009/06 出版)
映画「天使と悪魔」が公開され、たくさんフリーメイソンやイルミナティに関する本が出版されましたが、本書は、そうした陰謀論的なものと一線を画した、極めて実証的な本です。世界を動かすって大変。それなりの覚悟ってもんが必要なんですね。
『中国の科学と文明』
ロバート・テンプル著/河出書房新社(2008/10 改定出版)
科学といえば西洋と考えがちですが、中国にこんな科学の歴史があったとは!21世紀は中国の時代と言われているそうですが、現在の中国が世界のスパーパワーになるかどうかは別として、それでも、あれだけの人口とあれだけの歴史を持った国のさまざまな発見には感服させられました。
『ルドルフ・シュタイナーと出口王仁三郎の符合』
咲杜憩緩 著/星雲社 発売(2009/07/12 出版)
シュタイナーファンの僕としては、日本の神秘学の雄、出口王仁三郎との共通項をさぐる本書の目的は、それだけでも十分価値があり、「こうした本は本当にすぐに書店から消えてしまうので、早く買っておかないとー」と購入しました。
むかし、『ユングとシュタイナ-』ゲルハルト・ヴェ-ル 著/人智学出版社(1982/03 出版) という本を神田の本屋で見つけた以来の興奮でした。
『ブッダのサイコセラピー』
マーク・エプスタイン著/春秋社(2009/5 出版)
精神分析家、医学博士である著者が、永年の臨床を元に、西洋の心理療法の歴史も概観しつつ、仏教の空の世界と心理療法の融合を試みた労作。
僕は、仏教医学や神道医学なるものが、これからの世の中には必要だろうと強く思っていますが、こうした試みをすでに何十年も前から研究されている著者の姿勢に深い感銘を受けました。
以上、現代物理学からスピリチュアル、心理療法まで計11冊の本を紹介しましたが、いずれも、僕の独断と偏見によっていることをご了承下さいね。でも、これらの本には、「私たちの認識を、深いところで揺さぶる」という共通項があります。
最近は、書店がシステム化されて、いわゆる本屋の個性が失われてしまいました。話題の本、ベストセラーという言葉に流されて、買うというより、買わされている印象が拭えませんよね。
特に、僕なんかが求める本は、ベストセラーなどとは無縁で、すぐに絶版になってしまうレアモノが多いですから、いつもアンテナをはっておかないといけません。
昔、ある人が教えてくれました。人生を豊かにするには、まず第1に、人との出逢い。そして、第2は、本との出逢いだと。
現在の、時代の大きな流れの中で、自分を見失わない根底の軸を発見するために、ぜひ一冊でも手にとってみて頂くと、うれしいです。
※自然治癒力学校HPをリニューアルしました。
http://cocokarafamily.com/info/nature/index.html
ココロとカラダと健康と。そして、あなたの生き方と。いっしょにふかーく考察していきましょう。