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健康

第17号 月のリズムとインフルエンザ

おのころ心平の ──社長のための「か・ら・だマネジメント」

 【インフルエンザ報道の局面】

 日本で新型インフルエンザ報道が流れたのは4月25日のこと。この日は新月でした。

 以下、日本におけるインフルエンザ報道に関する局面を月のフェーズに沿ってまとめてみました。

***********

 ○新月 4月25日 

 米疾病対策センター(CDC)が、今年3月以降にカリフォルニア州とテキサス州で確認された豚インフルエンザウイルスについて、「人から人に感染する」ウイルスであると発表。WHOがインフルエンザの緊急対策委員会を開催。(→その後、27日にフェーズ「4」、29日にフェーズ「5」に引き上げを発表)

 ●上弦 5月2日

 WHOは、新型インフルエンザに対して従来の季節性インフルエンザのワクチンがほとんど効力を持たないとの見解を発表。WHOと米疾病対策センター(CDC)は新型インフルエンザ対応のワクチンの試験製造が数週間以内に始まるとの見通しを明らかにした。

 ○満月 5月9日

 日本国内で初の感染者確認。成田空港から帰国者。水際対策の強化。

 ●下弦 5月17日

 16日の渡航者以外での国内初感染の確認を受け、関西圏で感染拡大の報道。

***********

 月のサイクルで、もう1サイクル前の状況を押さえてみましょう。

 ●新月 3月27日

 28日、米カリフォルニア州インペリアル郡の少女(9)が発症確認。

 ○上弦 4月2日

 メキシコ政府が、東部ベラクルス州ラグロリア村での4歳男児の感染(3月下旬から発熱。後に回復)を確認。

 ●満月 4月9日

 10日、米テキサス州の少年2人(16)が発症確認。

 ○下弦 4月17日

 米インペリアル郡の少女が『豚インフル感染』と判明。

 (→25日のWHOの動きへとつながっていきます)

***********

 月には、それぞれのフェーズで、

 ●新月:はじまり、発信、爆発力、勢い、成長、振幅

 ○上弦:具体的な材料、情報収集、処理能力、管理

 ●満月:受信、現象、結果、形、振幅

 ○下弦:拡大、集団、調整力、問題解決

 といった意味を含んでいます。

 5月17日から、月は下弦周期に入っていますが、「拡大」や「集団」の意味を含む下弦の時期に感染拡大報道がなされているのも、月のリズムとの奇妙な一致が見られます。

 インフルエンザ・ウイルスの潜伏期間は7日程度と言われていますね。月のリズムもほぼ1週間。毎日新たな報道がなされる中、不安や恐怖でカラダを萎縮してしまっては本末転倒です。こんなときこそ、少し引いた視点(月のフェーズにそって)推移を見守ることも大事かな、と思うのです。

 今後の月のサイクルを押さえておきましょう。

 ●5月24日 新月

 ○5月31日 上弦

 ●6月 8日 満月

 ○6月16日 下弦

 そして、6月21日は「夏至」。

 北半球においては、夏に向けていったん収束をみせるでしょう。

 でも、これから冬を迎える南半球に住む人々にとっては脅威です。南半球における今後のウイルスの変異と、北半球においては秋口からの第2波には注意が必要ですね。

 【インフルエンザ・ウイルス】

 感じて染まるで「感染」…あまりニュースばかり見て、むやみやたらに不安や恐怖に「染まる」のも考えものですよね。

 何か、個人でできることはないか…?手洗い、マスク、咳エチケット、もちろんこれも大切です。でも、もっと大切なこと。それは、報道に対するココロの持ち方です。

 まず、ウイルスの増殖の仕方を知っておきましょう。

●図1

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※参照:『ウイルスパニック』皆川正夫著(マイコミ新書)より

 インフルエンザに限らず、ウイルスというのは、自分で細胞分裂ができません。細胞という形態をとらない核とタンパク質だけの構造だからです。

 だから、自分の仲間を増やすためには、自分とは別の生物に侵入し、その細胞のコピー機能を借りて増殖します。自分の遺伝情報を宿主の細胞のDNAに書き込むわけです。

 書き込まれた側の細胞の方では、そうと気づかないままDNAをコピーしていきます。ウイルスはこうして他力(感染した宿主の力)で、自分の仲間を増やしていくわけなんですね。

 ウイルスにのっとられた細胞は、本来の自分とは違った情報をもった細胞になってしまうので、これは、免疫の攻撃対象となってしまいます。

 ところが、免疫細胞というのは、ウイルスだけを狙い撃ち攻撃することができません。では、どうするかというと、ウイルスに感染した細胞ごと攻撃してしまうのです。ウイルスに感染した細胞が多ければ多いほど、免疫が働いてどんどん細胞が破壊されます。

 以上のしくみで、ぜひおさえておいてほしいのは、

 ウイルスは私たちのDNAに、「何らかの情報を書き込むだけだ」ということ。その情報に過剰に反応して症状を拡大するか、適度な反応におさめてしまって共生するかは、 宿主側である私たちの問題なのです。

 こちらがウイルスの書き込んだ情報に過剰反応すればするほど「早く壊さないとー」ってことで免疫が過剰に働きます。結果、発熱とか炎症とかが起こるんですね。

 メキシコでも、日本でも、最初に報道にあったのは、免疫力の高い高校生などの若い人です。「過剰反応」は若者の特権かもしれませんが、ということはつまり、感染しても免疫がウイルス情報に対して過剰に(アレルギーのような)反応さえしなければ、症状は軽症化できるということです。

 私の専門であるココロとカラダの関係性から考察するに、カラダの過剰反応は、いまの報道に対するココロの過剰反応リンクしているように思います。

 「情報に対する過剰反応」という意味では、ウイルスに対しても報道に対しても、同じなんですね。

 情報に対する識別能力。

 付和雷同しない自分なりの情報の読み方。

 これを高め、自分を見失わないような態度こそが、結果、細胞にとっても免疫にとっても、いちばんの予防策になるように思うのです。

 

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