さて、今回は初対面の挨拶で非常に重要な「握手」
欧米と日本の生活、慣習として違う事がたくさんありますが、
その中でも、その人の第一印象に最も大きな影響を与える事柄があります。それは、「挨拶」。
これの如何によっては、それ以降の関係性が大きく違ってしまうのです。
挨拶とは、何かの始めに行う行為です。知っている同士でも、その日初めて会ったときに行いますし
、最も重要なのが、初対面の相手とのコミュニケーションの始まりとなる「挨拶」である場合。
その挨拶にも、国や文化によって、様々な慣習や方法があります。
どのような方でも、自分の国での習慣をしっかり理解している事は、
国際的な交流をする機会があればなおさら必須の知識です。
そして、ここでもう一つ忘れてはならないのは、コミュニケーションをとる相手や、
そのとき自分がいる環境における慣習を理解して、そこでのマナーを守ることなのです。
社長ともなれば、一個人としてのコミュニケーションだけではなく、ご自分が率いる企業の人全ての
代表として挨拶をする為、なおざりには出来ない事がお解かりいただけるでしょう。
先日、年明け早々の海外出張で、挨拶と慣習の重要性と理解が、成功への鍵であると確信しました。
それは、まさに「郷に入っては郷に従え」で、欧米式(その国)の挨拶を自然に行ったり受けたりすることが
出来るだけで、全くの初対面の相手との距離が、一気に近く親しくなれることを改めて実感できたからなのです。
握手での初対面の「挨拶」から始まり、よりしっかりした握手やハグ(抱擁)での
「今後も続く関係性をもった「さよなら」。
この距離の近くなり方は、やはり相手との実際の距離感(相手に触れること)と大きな関係があります。
戦国時代などではない今の世の中、切ったり切られたり、刺したり刺されたりなどということはありませんが、
やはり人間は無意識に自分を守る性質を持っていますので、初めての相手や環境に警戒心を抱くのは
自然なこと。ですから、相手に触れる「握手」を受けるというのは、「あなたと仲良くなりたい」
「あなたを信頼します」という初対面での最も明確な意思表示になるのです。
日本の習慣を基準にすれば、会釈で始まり会釈で終わっても、それは当たり前のことです。
しかし、欧米の習慣を基準にした場合、向こうは握手を当然としているのに、
こちらがそれに応じなかったとしたら…向こうは良い気分ではありません。
日本人に握手の習慣があまり無いことは知られるようになってきましたが、
やはり、それを自然に出来るのであれば、コミュニケーションの幅は広がりますし、
それだけ良い第一印象をより多くの人に伝えることが出来るのです。
1分1秒が大切なビジネスシーン、やはりより良い信頼関係を、より早く築けるのであれば、
その習慣は自分の身につけてしまうのが得策です。
私がNewYorkで学生生活をしているとき、あるクラスで受けたトレーニングにこのようなものがありました。
それは「ビジネスにおける握手の仕方」。
それも、外国人の生徒を相手にしているクラスなどではなく、極々普通にネイティブの人を
対象にしているクラスで行うくらいですから、どれだけ握手がビジネスにおける重要性を
持っているのかが分かります。
それぞれ1人ずつ握手の実践をするのですが、女性はあまり強く相手の手を握るものではないと
教えられていた私は、そのときに貰ったアドバイスに驚いたものです。
それは「もっと強く相手の手をしっかり握りかえしなさい。
そうしないと、受身で自信のない弱い人だと思われてしまいますよ」でした。
国際儀礼(プロトコール)にある、握手の仕方は正式且つ、
揺らがない基準として是非覚えておいていただきたい事ではありますが、
やはりビジネスシーンともなれば少々アレンジがあるようです。
それは、儀礼にある握手では男性・女性・目上・目下という事が立場の基準となっており、
握手の順番や受け方が様々ありますが、ビジネスに於ける握手の大切なポイントは、
自信と信頼感を相手に伝えることなのですから。
あれから早10年以上の年月が過ぎ、ビジネスでもプライベートでも握手をする環境を
多く経験してきましたが、初対面で握手をした相手の手の力強さや感覚で、その人がどのような方なのか
大体分かるようになったのは言うまでもありません。これも立派な第一印象なのです。
日本での挨拶は「会釈」ですので、なかなか握手を交わす場面が多くはありません。
そのため、慣れていないが故に、会釈をしながら握手をしている方を目にすることがありますが、
その姿は非常に滑稽です。腰が引けて、相手の目をきちんと見つめていなかったり、
その姿勢から相手を見ようとして上目遣いになってしまったり…全てネガティブなメッセージとなってしまいます。
スマートな握手の仕方で大切な事は、まず臆病にならず、相手への信頼と自分の自信を伝える気持ちで、
真っ直ぐ姿勢を正して相手と向き合い、焦らず落ち着いて、微笑みながら相手の手を握り返す。
ただそれで良いのです。
(いくら信頼感を伝えようという気持ちであっても、あまり長く相手の手を握っているのも考え物です。
分かりやすい目安としては、お互いに「こんにちは」が言える位の時間で自然にお互い手が解ける位で
よいのではないでしょうか?)
特に、出来るビジネスパーソンや社長には、がっしりとした自信と信頼感のある握手が似合いますから。