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製造業

第201号 事故を未然に防ぐ方法

柿内幸夫─社長のための現場改善

 今回は、危険を知らせる看板を集めてみました。 一番上から、「埼玉県久喜市の菖蒲池 」で見つけた立て看板、次は「私の自宅付近のジョギングコース」で、 最後は皆さんもおなじみの「電車の扉に張ってあるシール」です。
 こうやって集めてみると、いろいろな表現があることに感心します。

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  さて、現在はレベル2の工程間の流れの説明で品質の話をしています。

  レベル0:ダンゴ生産

  レベル1:工程内の流れ

  レベル2:工程間の流れ

  レベル3:工場内の流れ

  レベル4:工場間の流れ

  レベル5:お客様への流れ

  レベル6:一気通貫の流れ

先回の宿題はいかがでしたか? まずは品質情報の管理レベルを見て頂きましたが、今回は品質向上を目指す際に必要な考え方についてお話しいたします。

 私はコンサルティングの依頼を受ける際に、必ずあることを社長に確認いたします。それは私がコンサルタントとして求められる成果はコストダウンであることが多いのですが、その際に、以下のように申し上げるのです。

 「コストダウンはもちろん大切なことですが、だからといって安全と品質は絶対に犠牲にしません。安全と品質のレベルは現状維持か、それともさらに向上させた上でのコストダウン活動ですから、かなり厳しいですがそれでもいいですか?」

 なぜそう言うかというと、安全や品質をないがしろにした結果、とんでもないことが突然起きるということが珍しくないからです。

 場合によっては、大きな組織があっという間に世の中から姿を消すということが起きるのは、皆さんご承知の通りです。

 しかし、それだけ大切な項目であっても、品質や安全ははっきりと目に見えるものではないために、そしていつも起きるというものでもないために、ついつい人の関心の中心から外れてしまうことがあるのです。

 「災害は忘れたころにやって来る」と言われますが、まさにその通りのことが現実となっています。

 実際に「これまで大丈夫だったから、これから先も大丈夫だ」と考える方は多いのですが、実はそこには何の根拠もないことがよくあります。

 安全でも品質でも大事故が起きる場合は、起きる1秒前までは安全であり、起きた1秒後には既に取り返しがつかないことになっています。

 例えば、ある製品の組み立て工程で、全く品質不良が発生していなかったとしましょう。しかし、それまで工程を担当していたベテランのAさんが退職して、若手のBさんに代わったとたんに不良の発生が始まることは当然ですが、あります。

 これまで不良ゼロであったのはAさんが担当していたからで、新米のBさんに代われば変化が起きて当然です。

 なぜでしょうか?それは、その製品の品質がAさんの経験や技量によるものであったからです。

 したがって、Aさんと同レベルの能力をあらかじめBさんにも訓練で身に付けてもらっていれば、あるいは間違った作業ができないようなポカヨケができていたら、この品質不良は起きなかったでしょうが、そこに気付かず準備がされなかったということです。

 「品質」というと、私たちは自然に不良を減らすことと考えます。これはもちろん正しい考え方ですが、時にはなぜ良いものがキチンとできているのだろうと考えてみるのもよいですよ。

 すると、「どういう条件を守っているから」あるいは、「どういう注意をしているから」とか、「どんな機能のポカヨケがついているから」などの「基本的な良品を作りこむ条件」というのが分かってきます。

 そうすると、現場の人たちの普段の品質を守る苦労が分かったり、あるいは設計や材料の段階において問題があることが分かったりと、未然防止の形での発見ができることが多いからです。

 では早速現場に行って、なぜ品質のいい製品が生産できているのかを見てみましょう。よろしくお願いします。

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copyright yukichi

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net 

 

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