「卒は将の顔色を見て動く」-幹部は社員の前ではいつも元気で明るい顔をしておきなさい。
幹部が暗い顔をしているとみんなが暗くなる!藤井社長の口癖である。
経営は変化適応業と言われている。鹿児島市を本拠地とし、南九州をはじめ九州全域を舞台に事業展開している
成長企業の一つが株式会社東洋環境分析センターである。水質・土壌・大気・アスベストをはじめ、現在注目を
集めている食品・温泉成分に至るまで様々な環境測定分析を行っている。九州における“環境測定分析のパイオニア”
として知られている。
同センターは臨床検査・病理学的検査・遺伝子検査・地域住民や学童の健康診断などを行う、
(株)クリニカルパソロジーラボラトリー(創業42年、略称パソ ラボ)のグループ企業として、2002年6月に設立。
環境分析検査の専門企業としての先駆的な地位を築いている。
市民の環境・安全・安心への関心の高まり とともに、検査需要・調査依頼は年々増え続けている。
人が人間ドックを受診し健康状態をチェックを行うように、地域の“環境ドック”の役割を担っている。
最新の分析解析装置と各種の有資格者を揃え、顧客のニーズに迅速かつ正確に対応している。
「検査精度第一・お客様第一・あらゆる依頼に対して誠心誠意取り組み、人々の安心・安全を担う」
ことをスローガンとして掲げている。
オーナー経営者の藤井勝己社長は、
現場のスタッフに対して「信用ある仕事をしなさい」「継続性のある仕事をしなさい」と呼びかけている。
そのためにも常に安定した会社経営の中身を追求し続けている。「技術力・営業力・財務力・経営理念」
の4つが必要であり、バランスが重要だと訴える。地味・オーソドックスな仕事だけに特別際立った言葉ではないが、
言い続けている。
藤井社長は「会社は黙っていると会社は潰れるもの」と言い切る。「会社を潰さない為にあらゆる手を打つ。
経営は環境適応業」という経営信条を持つ。「事業の成功を左右するのは経営者。
経営に内包する諸問題の 90%は経営者が代わることで解決する。
経営を継続する為には、経営者自身がまず変わる・もしくは代る以外ない」と自身の体験の上からの言葉である。
謙虚な中にも、経営者の持つ影響力の大きさを語っている。
これからの課題は「次代を担う人材へのチェンジ・登用」と言い切る。
還暦になったばかりのオーナー経営者である藤井社長は、「変えるのも人であり、変わるのも人」と、
若いスタッフに対して、自身の目線を合わせ、人を育てることにも力を入れることを決意していた。
変化に対応する人材育成に挑戦する企業に注目したい。
上妻英夫