カレンダーを見るともうすぐ9月。
夏の装いもそろそろ終わりのように感じてしまいますが「暑さ寒さも彼岸まで」といわれる様に、
あと数週間は実際の気候も、暑さが続くのでしょう。
前回・前々回と、リアル“Cool Biz”スタイル考 Vol.1、2で、クールビズスタイルをするなら
、是非知っていていただきたい装いのポイントを上げてきました。
今回は、まだまだ暑さもつづいている上に、台風などもやってきて、雨も多いこの時期だからこそ、
人前でも登場させる回数の多い、皆さんの身近な「ある小道具」の選び方についてです。
私はその小道具に「紳士のスマートさ」を感じるのです。
それはハンカチ。
日本でも化粧室に行けば、ペーパータオルや、エアータオルなどがあり、ハンカチを使用する機会が
随分減ったように思われます。しかし、さすがに汗をかくこの時期は、それをぬぐうものが必要になり、
従って、人前にハンカチを出す事も多くなります。
そこで、あまり意識することなく携帯していると思われる、
エグゼクティブな男性の為の、スマートなハンカチのポイントをあげてみました。
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1)ハンカチは必ず携帯
基本的なことですが、毎日きちんと新しいきれいなものを持っていましょう。
汗をかいたまま拭かないでいるのは、衛生的にも良いことではありません。
そして、汗には塩分が含まれていますので、洋服の生地をいためる原因になってしまいます。
汗をかいたら、さっとぬぐえる用意が必要です。
2)色はシャツの色やスーツの色に近しいものが好ましい
特に暑い今の時期は、ワイシャツの色目のような薄い色合いがよいでしょう。
服装の色合いが薄いところに、濃い色のハンカチを持って、汗を拭いているのを目にすると、
ますます暑そうに見えてしまうものです。
3)柄は抑え目に
ビジネスシーンで使用するハンカチであれば、やはりその際に装う服装と同じような柄とあわせるのが
スマートです。例えば、男性の服装の中で柄があるのはネクタイかスーツ。
そこに取り入れられている柄、ストライプやドット、小さい幾何学模様、チェックなどを
ハンカチにも取り入れるのが適当です。
ネクタイでも同じことですが、大胆な柄や、キャラクター(アニマル)柄、ブランドのロゴが目立つものは、
ビジネスシーンでエグゼクティブが持つハンカチとしては望ましくありません。
シンプルでスッキリしたものが最適です。
4)吸水性のある素材を
やはり水分をさっと吸ってくれる素材が、夏には必須です。
ただ、だからと言ってタオルのような厚手のものではポケットに入れてしまうと、
もっこりしてしまい不恰好です。厚めではなく、吸水性の高い素材の物が市販されていますので、
ポケットにすっきり収まる厚さのものを入手しましょう。
5)ハンカチの寿命
使用してゆけば、布であるハンカチはどんどん傷んでくるものです。
濃い色は色がはっきりしなくなり、薄い色はそれが綺麗に見えなくなります。
布の張りも失われてしまいますので、端の方がよれよれになってしまいます。
やわらかい生地であることと、張りが無いこととは同じではありません。
これらの様子が見えてきたら、ハンカチは変え時です。
6)プレスされたハンカチを!
しっかりアイロンのかかったハンカチほど清潔で上品なものはありません。
どんなに素敵なハンカチでも、プレスされていないものは、非常にだらしなく見えてしまいます。
使用すれば当然シワもできますが、最初からアイロンのかかっていないものと、
きちんとかかっているものの差は一目瞭然。この一手間と気遣いが、大きな差をつけるといえるでしょう。
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このように、同じ様に汗をかいても、それをさわやかに見せる事ができるか否か、
そのポイントの一つは、明らかに「どのようなハンカチを、いかにスマートに携帯できているか?」なのです。
そして、これは夏に限った事ではなく、社会における装いのエチケットです。
上質な衣服を着た素敵な紳士に見える方のポケットから、
古ぼけてくちゃくちゃのハンカチが出てきたら、一気にイメージダウン。
「きっと会社の内情もこんな感じなのかな・・・」と思われないとも限りません。
暑い時期を過ぎても、是非いざと言うときのためにハンカチは清潔でプレスされた物を
ポケットに忍ばせましょう。『備えあれば憂い無し』ですから。