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<事例―4 リーデル(B2BとB2C)>購入頻度が限られる食の容器市場で、独自の方法で需要を喚起しながらブランド力を高めた企業・・・それがリーデル

酒井光雄 成功事例に学ぶ繁栄企業のブランド戦略

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画像出典:リーデルHP http://www.riedel.co.jp/

 

●リーデルとはどんな企業なのか

 リーデル社は1756年にチェコスロヴァキアのボヘミアで創業し、1945年に国営にされてしまい資産を全て国家に没収されるといった紆余曲折を経て、オーストリアで企業を再建しました。
 
 1961年発行のカタログで、ワインの持ち味を高めるためのグラスづくりという独自の理念を打ち出し、見た目の美しさを重視したグラスが主流だった当時に、リーデルが打ち出したワイングラスによる機能性のアピールは他社と一線を画しました。1973年に発表されたソムリエ・シリーズはワイン界に新風を巻き起こし、世界中で数多くの賞を受けました。
 
 その後リーデルのグラスを手頃な価格で顧客に提供できるよう、機械生産によるヴィノム・シリーズを世に送り出します。リーデル社はアメリカ進出により転換期を迎え、ロバート・モンダヴィ(著名なワイン生産者)との出会いを通じて、本格的にアメリカ市場に力を入れ、現在に至っています。
 
同社が市場を活性化させた取組み
 
 1973年に10種類のグラスが発表されたソムリエ・シリーズは、世界のワイングラスの流れを大きく変えました。ソムリエ・シリーズはクリスタルガラスを用いた手吹きの手製で、同じワインでもワイングラスの形状が異なるグラスに注ぐと、ワインの鑑定家でも違う種類のワインを味わっていると勘違いさせたほどでした。
また1958年に開発されたブルゴーニュ・グランクリュ・グラスは、ニューヨーク近代美術館に展示されています。
 
 ソムリエ・シリーズ以降、同社のワイングラスはワインの個性を引き出せるように、それぞれ個別のデザインが施されたワイングラスを製造しています。250ml程度のグラスからワインボトルが1本そのまま入るブルゴーニュワイン用までラインアップされています。
 
 同社最大の売り物は、ワイングラスの形状が変わると、ワインの個性を引き出すところです。もう一つの特徴は、グラスの大きさに対してワインの量が少量で済むようにつくられており、高額なワインをゆっくり愉しみながら、味わうことができるところです。
 
同社のブランド力を向上させる取組み
 
 通常、食器の世界でマーケティングがなされることはほとんどなく、需要創造は何も行われていませんでした。しかし同社ではワイングラスはもとより、シェリーやコニャック、シングルモルトなどの酒精強化酒用グラスや、アクアヴィットやグラッパなどのスピリッツ用グラス、ワインの品評や味わいを試すテイスティング用グラスまで開発されています。
 
 リーデル社のこうした専用グラスの開発により、レストランを始めとする飲食店やホテルではワインに合わせてグラスを変えて用意することが、今では一般的になりました。またワイン好きの人なら、自宅に何種類かのワイングラスを用意する人も増えています。
 
 和食器は実用性だけでなく趣味の世界として愛でる要素がありますが、『ワイン毎にワイングラスを変えて、その味わいの違いを愉しむ』という視点は画期的でした。同社はブドウの品種毎に形状の異なるグラスを開発してシリーズ化しましたが、この取組みは自社単独で行わず、世界のワイン生産者と共にワークショップ(テイスティング)を繰り返し、最適な形状を探し当てるというプロセスを経て決められています。この取組みにより世界のワイン愛好家から評価を受けているわけです。
 
 ちなみに同社では日本を代表するいくつかの日本酒の蔵元と組んで、吟醸酒用グラスも開発し販売されています。
 
 
リーデルの事例に学ぶこと>
需要が起こるまで待つのではなく自ら需要を創造し、関係者を巻き込んで自社の優位性を発揮できるモノづくりを行ったことが、同社の成功に結びついている。そしてその結果として、ブランド価値が生み出されたわけだ。
 
 

<事例―3 ソメスサドル(B2BとB2C)>武豊が騎乗した有馬記念のディープインパクト用の鞍(くら)に採用され、洞爺湖サミットの際に参加した首脳と夫人に日本のお土産として同社のバッグが贈られた企業・・・それがソメスサドル前のページ

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