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<事例―11 日本農産工業の「ヨード卵・光」(B2C)>普通名詞を固有名詞に変え、卵のブランド化に成功した・・それがヨード卵・光だ

酒井光雄 成功事例に学ぶ繁栄企業のブランド戦略

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 ●ヨード卵光を誕生させた日本農産工業
 
 日本農産工業株式会社は、前身である日本栄養食料株式会社として、日本人に廉価で良質な蛋白食品を豊富に供給するという構想の下、当時日清製粉社長の正田貞一郎氏によって1931年に設立され、「マルエイ完全飼料」ブランドで配合飼料事業を開始した。
 
1942年に社名を現在の日本農産工業に改称、配合飼料事業に加え1966年にはペットフードの製造販売に乗り出す。1972年には国産初のドライキャットフード「キャネット<チップ>」を発売している。
 
そして1976年に普通名詞でしかなかった卵をブランド化させた「ヨード卵・光」を商品化するなど食品事業に進出。さらに馬用飼料などの分野へと多角的に事業を展開、現在は飼料事業(鶏、豚、牛および魚用飼料の製造・販売)、食品事業(ヨード卵、鶏卵の生産・販売、ヨード卵関連商品の販売)、ライフテック事業(ペットフード、馬用飼料の製造・販売)の3本柱で経営が行なわれている。
 
 同社の売上のおよそ8割は配合飼料事業によって捻出されている。また2009年に同社は三菱商事の完全子会社となっている。
 
 
 ●配合飼料会社として卵の高付加価値化に着目し、「ヨード卵・光」が誕生
 
 配合飼料事業を営む同社は自社の強みを生かして、これまでのB2B事業に加え、B2C事業の商品として「卵」に着目。同社の配合飼料によるノウハウを生かして高付加価値の卵づくりを行い、世の中に送り出した。
 
 今でこそ卵に多種多様な名前がつくようになったが、当時は普通名詞としての卵という分類しか存在せず、同社の「ヨード卵・光」が「固有名詞化とブランド化」に初めて成功した。
 
 普通名詞で取引されている卵は市場価格で1個15円~20円前後だが、「ヨード卵・光」は現在でも1個55円前後で販売されており、高品質・高価格を売り物にしている。
 
 
 <「ヨード卵・光」の事例に学ぶこと>
 B2B事業を営む企業が、自社の強みを生かして生卵の高付加価値を実現し、さらに当時としては画期的といえるブランド化に向けた取組みを行い成功させた。
 卵のブランド化に成功しただけでなく、同社の事業領域を拡張させたビジネスモデルとバリューチェーンとしても画期的な取組みといえるだろう。
 
 
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