通勤手当の非課税枠引き上げ

「従業員の手取りを増やしてあげたい」
多くの中小企業経営者が抱えるこの悩みに対して、比較的取り組みやすい施策の一つが通勤手当の見直しです。
令和7(2025)年度から、マイカーや自転車通勤者に対する通勤手当の非課税限度額が11年ぶりに引き上げられました。
通勤手当は一定額まで所得税や住民税が課税されないため、この改正は従業員の実質的な手取りを増やす効果があります。
ただし、会社側が制度を正しく理解していないと、改正のメリットを十分に活かせません。
また、通勤手当の変更に伴い就業規則や賃金規程の見直しが必要になる場合もありますので、注意が必要です。
そこで今回は、通勤手当の非課税限度額の改正について、解説します。
マイカーで通勤している社員は何人いますか?
通勤手当の非課税限度額の改正内容

通勤手当は、電車やバスなどの公共交通機関の場合、利用している運賃が月15万円(今回改正なし)まで所得税と住民税が非課税とされています。
一方、公共交通機関を使わずに、自動車やバイク、自転車で通勤する場合は、通勤距離に応じて非課税限度額が決められています。
今回の改正では、燃料費の高騰や物価上昇を背景に、自動車や自転車通勤者に対する通勤手当の非課税枠が見直されました。
具体的には、片道の通勤距離が「10km以上」の区分において、非課税となる限度額が引き上げられています。
次のとおり、距離が長くなるほど引き上げ幅が大きく、片道55km以上の区分では月額で最大7,100円非課税枠が拡大しています。
<1か月当たりの非課税限度額>令和7年4月1日以後に支払われる通勤手当に適用
片道距離2km未満: 全額課税(変更なし)
片道距離2km以上10km未満: 4,200円(変更なし)
片道距離10km以上15km未満: 7,100円 → 7,300円
片道距離15km以上25km未満: 12,900円 → 13,500円
片道距離25km以上35km未満: 18,700円 → 19,700円
片道距離35km以上45km未満: 24,400円 → 25,900円
片道距離45km以上55km未満: 28,000円 → 32,300円
片道距離55km以上: 31,600円 → 38,700円
車両の購入価格だけでなく、ガソリン代や維持費なども高騰している現状において、従業員にとっては毎月の支出が少しでも補助されると助かります。
ただし、社有車で通勤している社長の場合、ガソリン代や車検代などを会社経費にしていますので、別途マイカー通勤手当を支給することはできません。
個人の年間の車両維持費がいくらか知っていますか?






















