◆ 寅゛衛門グループ◆ 「臨機応変なサービスを提供する」 |
一人ひとりの客に合わせて、臨機応変にサービスを提供する。 そんな高度なサービスを実現した店や施設が増えている。 たとえば、ザ・リッツ・カールトン大阪。 「『タオルが5枚欲しい』『バスタブマットをもう1枚』といった要望に快く応じてくれた」 「最初の宿泊でFAXを使ったら、次回、部屋にFAXが備え付けられていた」…。 このような心地良いサービスによって、熱烈なリピーターを獲得している。 こうした試みに成功した企業は、小さな企業でも見られる。 愛知県下に5店舗を構える居酒屋「寅゛衛門グループ」は、成功例の一つだ。 サービスを競い合う2006年度の「居酒屋甲子園」では、全国2位に輝いている。 運営母体のジャパン興業(株)・赤塚社長は、この店を開く前に、居酒屋チェーンのFC店を15年間営んでいた。 しかし、「手頃な価格帯の店でも、マニュアルを超えたサービスをできないだろうか」とチェーンを抜け、 新たに居酒屋を開業。独自の思想に基づいたサービスを模索するようになった。 同店の自慢は、アルバイトスタッフを主体にしながら、高級店にも負けない臨機応変な対応をしていることだ。 待たせずにドリンクや料理を運ぶ、料理を出す順番を考える、といったことは言うまでもない。 雨の日にタクシーで乗り付けた客がいれば車まで出迎えるし、雨で濡れていれば、タオルを渡す。 メニューに載っていない料理を頼まれても、可能ならば作る。 このようなもてなしの連続に、客は心地良さを感じ、リピーターになるわけだ。 客からは、「ここまでやってくれると思わなかった」と感謝の手紙が多く寄せられているという。 もちろん、臨機応変なサービスをするには、アルバイトスタッフの教育が不可欠だ。 しかし、赤塚社長は、もてなしの方法を細かく教えているわけではない。 「お客様の満足を自らの喜びとする」という経営コンセプトや、人の生き方を、 朝礼や月1回の研修会で、粘り強く語り続けた。 また、自分でも考えさせるために、スタッフにスピーチをしてもらうそうだ。 あとは、個々の感性に任せているという。 基本的な考え方を伝え、あとはスタッフの感性や能力を信じる。 これは前述したリッツ・カールトンでも同様の方法を採っている。 なかなかできないことだが、臨機応変なサービスにはそれが不可欠だろう。 (カデナクリエイト/杉山直隆) ◆社長の繁盛トレンドデータ ◆ Kitchen 寅゛衛門(どらえもん) 愛知県春日井市南下原町上中193-3 TEL:0568-87-7889 最寄り駅:JR、名鉄「春日井」駅から名鉄バス「南下原町」停留所下車 ※他にグループ4店舗あり URL:http://www.draemon.net/ |