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第39回(コミュニケーションツールをつくる「1chido°」)

「社長の繁盛トレンド通信」

 

◆ 味噌汁バー 1CHIDO°◆


「コミュニケーションツールをつくる」

 

40種以上の味噌汁から、シーズンごとにメニューが入れ替わる北海道の石狩汁

 
東京のあさり汁
京都の生麩汁
   
茨城のはまぐり汁
名古屋の赤出汁汁
   
 
ゆったりと落ち着ける個室。
窓から見える桜はライトアップされて幻想的
 
ほどよい暗さが快適なバーカウンター。
味噌汁話に花が咲く
     

 

 

昨年12月にオープンした南麻布のバー『1CHIDO°』は、
味噌汁をコミュニケーションのツールに使っているユニークなバーだ。

メニューには、北海道から九州までの多様な味噌汁がずらりと並ぶ。
自分のふるさとの味噌汁を見つければ、つい、うんちくを語りたくなるだろう。
もちろん、人のうんちくを聞くのも楽しいし、そこから故郷話が盛り上がることもある。
店内で同郷の人に出会うかもしれない。
このように、味噌汁を媒介に、話がはずむ仕組みになっている。

調理の面からも、味噌汁には、様々なメリットがある。
まず、味噌汁をつくるのには、それほど難しい技術はいらない。
また、味噌は保存性が良いので、沢山の種類を揃えておいても無駄になるリスクは小さい。
同店では、定期的に味噌の種類を変え、常時15種類の味噌汁メニューを用意しているという。

もちろん、『1CHIDO°』は、バーとしての魅力も十分に備えている。
同店を経営しているのは、店舗設計で有名なスタジオナガレ。
この店は、新しい飲食店のスタイルを提案する実験店舗の一つとして運営されているので、
狭い空間を広く見せる照明やパーテーションの技術、窓から見える夜景を引き立てる
窓枠のデザインをはじめ、これまで培った店舗設計のノウハウがあますことなく活かされている。
また、バーテンダーは、みな感じがいいし、約20種類用意された地方色豊かなつまみ類は、
一流の板前が丁寧につくっている。

味噌汁バーが誕生したきっかけは、
代表の横井貴広さんが、たまたま飲んだ帰りにすし屋で味噌汁を飲んだことだ。
その時、ラーメンよりも、ヘルシーだし、何よりも「粋」だと思い、
味噌汁を軸にした店をやりたいと考えた。横井さんは、赤味噌で有名な名古屋出身。
他の地域出身のスタッフとアイデアをつめるうちに、味噌汁を巡るコミュニケーションは盛り上がると気づき、
味噌汁バーのアイデアに結びついたという。

多くの飲食店は、客が店ではなく、腕効きのコックや魅力的なバーテンダーといった
「人」につくことに悩んでいる。
彼らが店を去れば、客は一緒に離れていくからだ。
味噌汁というコミュニケーションケーション・ツールを用意することで、
店自体の魅力を高めた同店のやり方は、多くの飲食店の参考になるはずだ。
もちろん、味噌汁は、あくまでプラスアルファ。
店舗の雰囲気、感じの良いスタッフ、一流の料理人がいてこそ活きてくる。
(カデナクリエイト/竹内三保子)


◆社長の繁盛トレンドデータ◆
味噌汁バー 1CHIDO°

港区南麻布4-13-8 第47平安ビル1F

Tel. 03-5449-1414

最寄り駅:日比谷線「広尾」駅から徒歩10分

URL:http://www.1chido.jp/

■営業時間:18:00~翌5:00
■定休日:無休

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