menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

教養

第10回 『そなえ ~35歳までに学んでおくべきこと~』(野村克也 著)

眼と耳で楽しむ読書術

ウィーンから帰国後、東京、大分、福岡、山梨…と
約1ヶ月にわたって講演の旅が続きました。

ぼくの講演は、まさに音楽同様にライブといいますか、
いろいろな意味で一体何が起きるかわからないのが
普通になっています。

このたびも、たとえば、
現地で、全く読んだこともない本や
詩の朗読をいきなり要望されたり、
学校に到着してから、テレビの収録が入ることを知ったり、など
エピソードには事欠きません(笑)。

ライブという生の世界で生きる以上、
いかなるハプニングにも対応できるよう、
心も含めた準備が大切。

日頃からいつも本番を意識して過ごしています。

備えあれば憂いなし、とは
よく言ったものだなぁ、と折にふれ感じる次第です。

今回紹介する
『そなえ ~35歳までに学んでおくべきこと』
野村 克也 (著)
10-1.jpg
は、まさに準備の大切さが、心に響く一冊。

そなえ ~35歳までに学んでおくべきこと~/amazonへ

“35歳までに”という副題が付いていますが

読んだところ、全然といっていいほど関係ありません(笑)

早く知れば知るほど望ましい、というのが
正確なところかと思います。

本書からの学びは、生涯役立つ!

そう断言してもいいほど濃い内容になっています。

「プロフェッショナルのプロとは、プロセスのプロ」

と考えていた野村さんは、監督時代、
選手たちに準備の大切さをうるさいほど説いてきたとのこと。

「結果の裏側にあるものは何か―。
プロセス、すなわち過程である。
よい結果を生むためには、よいプロセスを踏むことが必要であり、
きちんとしたプロセスを踏むからこそ、よい結果が出る」

「準備とは、言葉を換えれば『意識づけ』である」

「ただ漠然と目の前の仕事に取り組むのと、
 しっかり準備をしてそなえるのとでは、
 成功する確率は格段に変わってくる」

「人はプロセスによってつくられるのである」

など、準備に関する名言が、次々出てきます。

中国古典からの引用も随時見られ、
野村さんの知の背景が垣間見えてくるのも
興味深いところです。

天才でない人間が、一流になるためにはどうすればいいか。
一流であり続けるには、何が必要か。

ビジネスマンはもちろん、全ての人間にとって
必要な教え、土台となるべきものが
本書にはあります。

今後のために、また年の瀬を前に、
今の自分を振り返るためにも
ぜひとも読んでおきたい一冊です!

尚、本書を読むのにお薦めの音楽は、
バッハの「ブランデンブルク協奏曲」
(指揮: レオンハルト、ソニーレコード)です。
10-2.jpg

バッハ/ブランデンブルク協奏曲<全曲>/amazonへ<全曲>

野村監督の名言の数々や優れた思想が
バッハの名曲、レオンハルトらの名演によって、
気持ちよく頭に入ってきますよ!
 

第9回 『誰が為に俺は弾くのか』(寺内タケシ 著)前のページ

第11回 『最後の大独演会』(鼎談集/立川談志・ビートたけし・太田 光)次のページ

関連記事

  1. 第13回 『作家小説』(有栖川有栖 著)

  2. 第143回『ブギの女王・笠置シヅ子』(著:砂古口早苗)

  3. 第99回「赤狩り」(著:山本おさむ)

最新の経営コラム

  1. 第24回 営業マンに頼ることなく、売上高を確保できている

  2. Vol. 1 ニューヨークのビジネス界におけるトレンド:DEIとブランディングの重要性

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年5月1日号) 

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. マネジメント

    失敗に原因あり(14) 意思と能力を見誤る
  2. ビジネス見聞録

    第2回 強い組織づくりの秘訣|講師インタビュー「人が動く組織のつくり方」松岡保昌...
  3. 経済・株式・資産

    第119話 経営とリスク(4)
  4. 戦略・戦術

    第53話 「銀行支払い金利率はどうしたら下がるのか?」
  5. 社長業

    Vol.36 公利公欲が繁盛の原動力
keyboard_arrow_up