クリスマスを前に、少し時間ができたので、
冬のドイツに行ってきました。
ぼくは寒さが大の苦手!
冬になると自ずとヤル気が減退していくので
できるだけ暖かい国で過ごしたい。
今まではそれが最善策と思い、行動してきました。
しかし今回、初めて真逆にふれてみよう、と
思いつきました。
寒さが苦手だからこそ、あえて日本よりも
もっと寒いところに飛び込んでみる!
我ながら、ずいぶんアホなことを考えたものですが、
実際にやってみると、思いのほか学ぶことが多く、驚きました。
日頃と違うことをすることで
はじめて見えてくるものがある。
そう感じる日々でありました。
今回紹介する『最後の大独演会』は
故立川談志さんが病気療養中に、ビートたけしさんと太田光さんと
鼎談したのを書籍化したものです。
死が迫ってきた落語界の巨匠が、二人の後継者に、
「芸とは何か」「落語とは何か」といったことを伝授するのかと思いきや、
これが実にくだらない話ばかり(笑)。
談志さんが「今日はとことんくだらない話をしようぜ」と言った通り、
本当に下品で、とても放送できないような話ばかりが続きます。
嫌いな人はとことんイヤだと思いますし、
特に女性にはオススメできません。
本来、このコラムで紹介する類の本ではありませんね。
しかし、笑いの世界を代表する三人が揃っているだけに
ただでは終わらせない凄みが随所に隠されています。
一見どうしようもないような話の中に、
時折、ビジネスのヒントになったり、応用が利くような、
キラリと光る言葉や生き方が垣間見えるのです。
たとえば、
「何かあった時にどういう言葉を言うか、何に見立てるか、って
お笑いでも漫才でも重要でしょう? お笑いとして一番適切な、
ぴったりくる言葉を瞬時に選べるやつは売れる」
「お笑いは振り子の振り幅が大事」
といった名言。
どちらも、あなたのビジネスに応用できませんか?
ビジネス力を高めるには、
仕事の教科書のようなベストセラーを読むことも大事ですが、
それだけでは振り幅が限られてきますし、
他と差もつきません。
"振り幅を広げるための読書"として
ときには、こんな本もいいかと思います。
バカげた本にしか見えないかもしれませんが、
侮れない一冊ですよ、これは。
そして、この本に合う音楽というと…
まず、添付の対談CDを聴いて、その余韻が残ってる状態で
音楽なしで一気に読むのもいいと思います。
その上で、一流マエストロによる鬼気迫る演奏をBGMにするのが
イチオシですね。
いわば、対位法的アプローチ。
音楽がまともであればあるほど、重いほどに、
本文の笑いや毒気が増すというか(笑)。
巨匠カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー演奏の
『ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第6番「田園」』を
おすすめします。
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第6番「田園」/amazonへ
では、また次回!