地方に講演に行った際、
地元の書店に足を運ぶことは
何よりの楽しみです。
特に初めて訪れる地においては
その町の特徴を感じるためにも
書店に行くことが大きな意義を持ちます。
そして、都内の書店では、まず見かけることのない
地元の出版社や新聞社から発行されている本と
めぐり合えた時の喜びは格別のもの!
今月、福岡から広島にかけて講演ツアーする中、
広島県の東城町にて
掘り出しモノの一冊を手にしました。
それが、
『惚れる力』 -苑田スカウトの仕事術- 坂上俊次(著)
惚れる力 ― カープ一筋50年。苑田スカウトの仕事術/amazonへ
です。
プロ野球・広島カープの名物スカウトとして知られる
苑田聡彦氏の仕事術が綴られた一冊。
選手時代も含めると、カープ一筋50年。
球団史ばかりか、野球界に名を残す数々の名選手を発掘し
現在もスカウト統括部長として、未来の赤ヘル戦士の発掘のため奔走しています。
今季、大リーグから復帰した"男気"黒田博樹投手、
来季から阪神タイガースの監督になる"鉄人"金本知憲氏ら
スカウトした選手の名を並べると、驚くばかり。
広島カープは、市民球団として、
予算が少ない球団として有名。
したがって、大金をかけて注目選手を獲得せずに、
育成に力を注ぐことで知られています。
実際、育成の上手さには定評があり
ドラフト時に無名の選手が、
後に大化けすることが珍しくありません。
その土台となっているのが、
伸びる人材を見つける、スカウトの"目"です。
人を見極めるとき、
一体どこに着目するのか?
伸びる選手と伸びない選手の違いは
どこにあるのか?
本書には、"伝説のスカウト"苑田氏ならではの眼力が、
惜しみなく描かれてあります。
内容の素晴らしさもさることながら、
苑田氏の人間への情熱と愛情が伝わってきて、感動!
組織のリーダー、
人を育てることに携わる人は
必読ですね。
人事や採用担当者にとっても
これ以上ない一冊だと思います。
広島県以外の書店で目にする機会は
そうそうないシロモノです。
仮に置いてあったとしても、広島ファンや野球ファン以外は
まず読まないことでしょう。
他のビジネスマンが読まない確率が極めて高い、
いろんな意味でお宝的な本です。
当コラム読者には、こういう本こそ
読んでいただきたいです!
今年有数の掘り出し本として
自信をもってオススメします。
尚、本書を読むときに、おすすめの音楽は
『ヴェリー・クール』(リー・コニッツ)
です。
"ジャズ界の伝説"リー・コニッツのいぶし銀、かつ
エネルギッシュな音楽が、
本書の主役たる苑田氏と通じる部分がある気がします。
ぜひ合せてお楽しみください。
では、また次回。