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第85回『ギリシャ人の物語』(著:塩野七生)

眼と耳で楽しむ読書術

 
先日、初めてギリシャに行ってきました。
 
西洋文明発祥の地であり、
人類史上初めて民主主義が生まれた場所。
 
日本では来年の東京五輪の話題で盛り上がっていますが、
そのオリンピックも、ギリシャで始まったものですしね。

85-1.jpg85-2.jpg











 

今につながる起源になるものが多く、
経営者・リーダーのために、ぜひギリシャ関連の本を!
 
…と思っていながらも、行ったことがない立場で紹介するのもいかがなものかと、
気が引けていました。
これで、ようやく紹介できます!
 
ということで、今回の本は、
 
『ギリシャ人の物語』(著:塩野七生)

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ギリシア人の物語I 民主政のはじまり/amazonへ

 
です。
 
多くの経営者の座右の書に挙げられている
『ローマ人の物語』で有名な塩野さんによる、最新の歴史物語。
 
見どころは、何と言っても、
偉大なリーダーたちの仕事ぶりです。
 
リクルゴス、ソロン、ペイシストラトス、クレイステネス、テミストクレス、レオニダス、パウサニアス、ペリクレスなど、続々。
 
栄光の後に寂しい末路を辿る者もいれば、
死後ますます名声を高めた者も。
その違いは、一体どこにあるのか?
 
そして、本書のテーマの1つである「民主政」がいかに生まれ、発展し、
衰退していったのか?
 
世界的にポピュリズムが台頭している現代と重なる部分が感じられ、
危機感を抱かずにはいられません。
 
それと、世界史を語る上で欠かせない「ペルシア戦役」も必見!
大国アケメネス朝ペルシアの大軍に対して,圧倒的に数で劣るギリシア連合軍が、
いかに戦い、勝利したのか?
リーダーの戦略と人材登用など、注目すべきところが多くあります。
また、人気映画『300〈スリーハンドレッド〉』で知られる、
スパルタ王レオニダスの"テルモピュレーの戦い"に関する場面も読み応え十分!
 
個人的には、都市国家アテネとスパルタの違いも、興味深いものがありましたね。
日本でも当たり前のように"スパルタ式"という表現が使われていますが、
そもそも元祖スパルタ式とは、どういうものだったのか?
 
見どころを挙げればキリがありませんし、
知っておきたい事柄も豊富。
 
世界が大きく変わろうとしている今日、
全ての起源となるギリシャ人の足跡を辿ることは
大きな意味があると思います。
この機会にぜひ読んでみてください!
 
尚、本書を読む際に、おすすめの音楽は
『LOVE SONGS』(演奏:渡辺貞夫)
 

85-4.jpg
です。

LOVE SONGS/amazonへ

世界のナベサダ"こと、日本が誇る伝説のジャズ奏者、渡辺貞夫さんの
バラードアルバム。実に素晴らしい!
86歳の今も現役を続ける渡辺さんの円熟の音楽と
81歳の塩野七生さんによる古代ギリシャ人をテーマにした名著、
合せてお楽しみいただければ幸いです。
 
では、また次回。
 
 

 
 

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