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第1講 クレーム対応への向き合い方を改める!

クレーム対応の新知識と新常識

1.『主張をすることがあたりまえだ』という文化が根付いた時代

 『クレームを言う』こと、つまり相手に『文句を言う』ことは、今や特別な性格の人がすることでもなく、特別に重篤な問題だから申し立てると言うことでもなくなりました。

 いつのまにか、消費者や顧客が企業に『主張をすることがあたりまえの文化』になったのです。

 日本人古来の特徴であった奥ゆかしさの啓発はさびれたと共に、消費者や顧客は、自由に企業や、製品や、サービスに、自分なりの『主張をすることがあたりまえだという文化』が根付いてしまったのです。そのことにあなたの会社や、クレーム対応担当者は気づいていましたか?

 また、消費者が企業に『主張をするのはあたりまえ思考文化の1つ』であると共に、クレームを受付けた企業の担当者が「こんなことまでクレームとして言ってくるなんて、神経質な消費者だこと。」と消費者からの特殊なクレームにあきれていたとしても、その消費者の『クレームは真摯に受け止める対応をするという考え方もあたりまえの1つ』になっているのです。

 消費者が企業に『主張をするのはあたりまえ思考が文化の1つ』となった要因は大きく3つあります。

 1点目は、相変わらず『お客様は神様』だという思考が企業にも、消費者にもまだまだ根強いこと。

 2点目は、消費者が『自由に主張をすることができる情報ツール』が増えたことにあります。

 そして、3点目として掲げたいのは、企業の従業員、担当者、店員の行き届かない対応にあきれる場面が増えたことも、消費者や顧客がクレーム言いたくなる機会を増やしているといえるでしょう。

 稀有なクレームに「なんで、そんなことまでクレームにして言ってくるかなあ・・・」と、担当者は愚痴っている場合ではないのです。「こんなクレームも来る時代なんだなあ。勉強になるわあ」と思える担当者にならないと担当者の心は助かることはないのです。

2.今や、消費者は『情報弱者』ではない。消費者と企業は『対等関係』にある

 それでは、なぜ消費者や顧客が企業に『主張をすることがあたりまえの文化』になったのかというと、相変わらず『お客様は神様思考』が企業にも、消費者にもまだまだ根強いことにあります。

 しかし実はこんな思考は現代では通用しない思考なのです。まず、消費者と企業の関係性について理解をしてください。

 消費者と企業の関係性―それは『対等』です。『消費者と企業は対等関係』だと言うことを、企業の人間の方こそ、忘れてはいけません。

 過去には、企業と消費者との関係を象徴して『消費者は弱者である』と言われていました。

 それは『その製品の品質に関わる情報や、サービスに関わる正確度を測る情報が圧倒的に企業側に豊富に存在し、消費者側には不足している。だから消費者は製品選びをする際、契約を決断する際には、企業の広告で開示されている情報を信じるしかない。その結果、過去には企業に騙されてきた経験が少なくない。消費者は、企業から比べて情報が少ないことで契約のリスクを負う可能性が高い。だから消費者は『情報弱者』なんだ』という根拠からです。

 そのような関係で時代を進んで行く中で、通常の企業は消費者に誠実に製品とサービスを提供し、納得のいく契約関係に至る努力と工夫を重ねてきました。そんな時代の中で、消費者には購入をする前に、契約をする前に、自分に合った製品か、自分の生活スタイルや、生活水準になじむ契約なのかを調べたり、相談したり、確認したりする方法が増えました。

 さらに、もし消費者が購入したものが違和感のあるものであった場合や、消費者の理解が不足したままで契約してしまったものである場合は、企業は返品を受付けたり、解約に応じたりする、救済措置を用意することも常識的な対応としては必要だと言える流通文化になっています。

 その具体的な企業の施策対応としては、アナログではコールセンターの設置を増やし、お客様からのどんな用件の電話であっても、まずは話しを聴いて受付ける機会を拡大しています。デジタルな場面ではインターネットを使って、ホームページを見ていただくために、わかりやすく、豊かに、時制を合せた内容に工夫をしています。その中で、トライアル商品として使いやすいセットを買いやすい価格で販売することを企画したり、まずは試していただくためにデイスカウント価格で新商品の提供をしたり、製品別に特化して詳しい情報コンテンツを作ったり、すでにその製品を利用しているユーザーの実感、実体験の賛否両論の新鮮な声を開示したりしています。

 こうなると、もう消費者はもう『情報弱者』とは言えない状況にあります。

 だから、私は『消費者と企業は対等関係』だと言っているのです。もう『お客様は神様ではないのです』

 だからクレームにも過剰に疲弊することがないようにしてほしいのです。

 しかし、見方を変えて言うと、企業としては消費者が購入や契約を決める前に必要な、正確で豊かな情報開示をしっかりやっていないと、もしクレームを言われても疲弊するしかないのです。

 クレーム対応に疲弊しない企業体質を作るためには、クレームを起こさないために、企業としてやっておかなければならないことをやることから始まるのです。クレーム対応担当者のクレーム対応技術について、取り上げるのはその次の問題なのです。

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