クレーム対応成功の法則『親身的対応7つの手順』(11)『数字入りの仕切り直しトーク』
(※秀和システム刊 『ポケット図解 クレーム対応のポイントがわかる本』より、一部抜粋と加筆)
『数字入りの仕切り直しトーク』で相手の気分を害さないで話し役に役代わり。
ここまで最も最初に好感度を与えるあいさつをし、お申し出者にラポール(心のかけ橋)をかけながら相槌を打ち、本音を聞かせていただくためにアクテイブリスニングをしながら『質問』をして、お話しを聞いてきました。その結果、お申し出内容もほぼ理解でき、お申し出者との距離も少し縮まったなら、ついに担当者がしゃべっても良い場面がやってきます。ここで認識していただきたいのは、いくら相手がご不満を抱えたお客様だからといって、とめどなく際限なく話しを聞き続ける必要はありません。相手の話しを聞いている中で、確実に確認しておきたいことがあり、どのような説明が必要かが定まり、今、一旦差し出せる提案が見つかれば、担当者が話しをする場面となります。そのためには相手の気持ちに失礼のないように言葉の工夫をして、話しの権限を横取りすることです。
『数字入りの仕切り直しトーク』でここまでの主従関係の仕切り直しを、差しさわりなく行う。そしてこの事例のゴールに導く主導権を手に入れる。
相手の気持ちを冷静にしたい時や、相手に失礼だと思わせないで、いささか失礼な言動を差し出したい時には、本題に入る前に数字入りの言葉をひとこと言うと効果的です。いよいよ担当者が話す場面になってきた時にはその為のテクニックを使う事をお勧めします。
具体的には相手の話しを止めて、自分がしゃべる際にはまず『数字入りの仕切り直しトーク』を言いましょう。「お客様一つ私からお返事をいたします」や「お客様2~3教えていただきたい事がございます」の「一つ」や「2~3」を入れることが効果的です。信じられないかもしれませんが、本当に相手は話をやめてくれ、こちらの話を聞く気持ちになってくれるという体験をした人がたくさんいます。
<数字入りの仕切り直しトーク例>
・お客様 一つ教えていただけますか
・お客様 一旦お話しをまとめさせていただきますね
・お客様 一点お返事をさせていただきますね
・お客様 一時的な対処方法をお話しいたします
・お客様 一カ所だけ確認をお願いできますか
・お客様 もう1歩お話し進めさせていただきたいと思います
・お客様 2~3私からもよろしいですか
・お客様 2~3考えられることをお話しいたします
・お客様 2~3ご相談がございます
・お客様 3つほど可能性についてお話をしたいと思います
・お客様 3つほど確認させていただきますね
興奮している人に落ち着いてもらいたい時、話が支離滅裂で整理したい時、話が長くて誤解のないようにしたい時にも使って下さい。きっと、お互い冷静な会話を仕切り直して始められるでしょう。
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