今回は、目標によるマネジメントのあり方について考えてみましょう。
自社独自の制度として目標管理制度を構築し運用されている場合だけでなく、事業計画を着実に達成するための仕組みとして、組織の階層ごとに又は社員一人ひとりに「目標設定シート」や「チャレンジシート」等を用いて今期の目標と目標達成に向けた行動計画を立てるよう求めることも一般に広く行われています。その一方で、期初に目標設定を行なったまま、期中に十分なスケジュール管理や進捗管理が行われないままに、期末を迎えてしまうような会社も少なからずあるようです。
目標によるマネジメント(MBO:Management By Objectives)は、もともと組織管理や方針管理を目的とした生産性向上のためのマネジメントシステムとして紹介されましたが、目標達成過程を通じて人材育成や能力開発を促すためのツールとしても位置付けられるようになり、さらには達成度評価を人事評価に直結し処遇に結び付けるタイプのものへと広がっていきました。
毎期の経営計画達成に向け全社一丸となって取り組む体制を築くための仕組みですから、まず経営者や幹部社員を対象として、一人ひとりの社員が担う職制上の責任を明らかにしたうえで、自律的な取り組みへと展開することが基本となります。
「経営方針を会社全体に正しく浸透させるとともに、部門方針やチーム目標に沿って戦略・戦術をたて、成果達成に向けた個々の取り組みへどのように具現化していけばよいか」この命題に対して、適切な目標の連鎖によって合理的な組織運営を目指すことで、事業計画を着実に達成するように組織マネジメントの質を高めることがMBOの本来のねらいだといえるでしょう。
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