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第25講 カスタマーハランスメント対策の実務策⑫

クレーム対応の新知識と新常識

担当者としては失礼な言葉だと気づいていないけど、確実に相手をイラっとさせる言葉その2

「お客様のご存じのように」は「客なら、誰でも知っていることなんだけど、あなたは知らないの?!」という担当者の意思の表れ。余計な言葉です。やめましょう。


 「先ほどもご説明いたしましたが」とよく似た言葉に、「お客様もお分かりのように」「お客様もお分かりだと思いますが」「お客様もご存じだと思いますが」というトークがあります。これも、余計な言葉です。「お客様のあなたは、物知りだと思うので」と、相手のポテンシャルを立てようとしているのかもしれませんが、そんなことをしても意味がありません。もっと言うと、客として認識できていないこと、理解できていないことがあるから、本来重篤ではないクレームに執拗に対応を求めて、担当者を疲弊させるのです。
 客として立てるには及ばない客を立てる必要はありません、と同時に実は、「お客様もお分かりのように」という言葉の本当の意味は、「客としてわかっていて当然なんだけど」と、相手に上から目線でモノを言いたい衝動に駆られる時にも使っていますよね。それも、余計なことです。
 担当者としては、客に機嫌をとるための客を立てようとして「お客様もお分かりのように」と言っているつもりかもしれませんが、客には「客としてわかっていて当然なんだけど」と小ばかにされている印象を受けることの方が多いです。そしてその瞬間カチンときて、「え、なにそれじゃあ、それわかってないと客じゃないってこと!」なんていちゃもんも言いたくなるのです。
 なので、「お客様もお分かりのように」「お客様もお分かりだと思いますが」「お客様もご存じだと思いますが」という言葉は、「一切、使わない」ということを覚えておいてください。


 「先ほどもご説明いたしましたが」「契約書にもあるとおり」「表示しておりますように」という言葉は、「こちらは、ちゃんと説明しているでしょ!ちゃんと書いてあるでしょ!こちらはちゃんとやっていますよ!」と担当者が対抗しようとしている意識を感じます。
 また、「お客様もおわかりのように」「お客様もお分かりだと思いますが」「お客様もご存じのように」という言葉は、「契約者として、消費者としてわかっているのが常識。まさか、わかっていない、知らなかったなんてことはないよね!?」と担当者がお客様を見下しているように感じます。
 担当者はそのよう意識をして、その言葉を使ってはいない、トーク全体を知的な感じに見せるため、格好よく感じさせるために、「先ほども説明いたしましたが」や「お客様もご存じだと思いますが」と言っただけ。ということもあるでしょう。でも、お客様にしたら、客として見下されているとカチンと来る原因になります。


 このコラムで、担当者としてしっかりと考えを持っておいてほしいのは、格好の良いトークをすることが信頼される担当者だという評価につながるのではなく、その場の状況や心情や考えに当てはまった言葉を使うことが、相手の気持ちに響く会話となり、好感の持てる担当者だと評価されることにつながるのです。


 しかし、その場の状況や心情や考えに当てはまると確信をもてる言葉を選ぶスキルが、自分にはないというのであれば、余計な言葉を言わないことです。余計な言葉を使って、間違い遣いを指摘される場面や、お客様の誤解を生む場面を作らないようにしましょう。

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