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教養

第13回 『作家小説』(有栖川有栖 著)

眼と耳で楽しむ読書術

「人間は能力(脳力)の3%しか使っていない」

とは、あまりによく聞く言葉です。

では、一体どうすれば、3%以上の力を発揮できるように
なるのでしょうか?

いわゆるアーティストと呼ばれる人たちを例にとって
考えてみましょう。

彼らには共通して"神が降りてくる"としか言えない
不思議な力が宿ることがあります。

その結果、名曲や名画が誕生します。

では、一体どんなときに神が降りてくるのか?

偶然そうなったのでわからない、という人もいれば、
神が降りてくる仕組みを知っている、
という人もいます。

ぼくは、残念ながら多くは知りませんが、
少なくとも1つの答えを知っています。

自分のことを振り返って考えると、
ぼくには、これぞ!という曲ができるときの
必勝パターンがあるんです。

それは何かというと…


「〆切」


です。


カッコ悪い答えでスミマセン(笑)


しかし、〆切に迫られて、どうしようもなく追い込まれた結果、
思いがけない力が発揮されることは確かです。

いわゆる、火事場のクソ力ですね。


「仕事は忙しい人に頼め!」

とよく言われますが、これも同じ論法です。

抱えてるものが多いと、普通にやっていたらこなせません。

結果、新たな方法を編み出したり、これまでの能力以上のものが
発揮されることにつながります。

今回紹介する『作家小説』は、常に〆切に迫られ、
原稿を追い立てられる「作家」という存在を題材にした短編小説集です。

13-1.jpg

作家小説 (幻冬舎文庫)/amazonへ

潜在能力を発揮する、という点では
最初の作品「書く機械」は必読!

現実にはありえない話ですが、
もしも実際に、あなたがこの環境に身を置いたならば、
間違いなく今までにない能力を発揮できるようになるはずです。

自分の能力は、どんな風にすれば極限まで引き出されるのか?

今以上の自分になるには、どうしたらいいのか?


生みの苦しみと背中合わせの"作家"という存在を
ミステリーの大家・有栖川有栖氏が描いた異色作。

物語を楽しむのはもちろん、
自分なりの潜在能力発揮の方法論を考える、
いい刺激やヒントになる作品です。

本書を読む際の音楽としておすすめしたいのは、
ウェーバーの『魔弾の射手 全曲』です。
(ライプツィヒ放送合唱団, カルロス・クライバー指揮)

13-2.jpg

ウェーバー:魔弾の射手 全曲/amazonへ


天才指揮者カルロス・クライバーの録音デビュー作にして、
歴史的名盤。

魂を揺さぶる演奏が、心にも脳にも響き、
あなたの潜在能力を引き出したり、活性化するのに
役立つことと思います。

繰り返しお楽しみください!

 

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