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人間学・古典

第46講 「言志四録その46」
孝弟は終身の工夫なり。

先人の名句名言の教え 東洋思想に学ぶ経営学

【意味】
親に孝行を尽くすということ、兄弟(夫婦)が仲良くすることは、生涯にわたって工夫すべきものである。


【解説】
「孝」という字は、老いた親を子が面倒を看ることを意味しますが、これだけが親孝行ではありません。
孝経という書物には「心身髪膚、これを父母に受く。あえて毀傷せざるは、孝の始めなり」とありますは、これも孝行の一例です。
身体の髪の毛一本、皮膚の一 片も親からの授かりものですから、傷つけないことが親孝行であります。
【余談】
親からの我が命を天地自然界からの授かりものと解すれば、第43講の自然界の一微粒子論の理解も一段と向上します。


孝経は更に続けて「身を立て、道を行い、名を後世に揚げ、以て父母を顕すは、孝の終わりなり」と説きます。
子供が正道を歩み名誉地位を得る(子供が立派に 成長すること)ことは、親の教育の良さを世間に証明することになり、
これにより親は我が子の教育責任を全うし大往生ができるということです。
この孝経の言葉を取上げた講演の際に、聴衆の一人から「私は社内の地位も低いから親不幸ですか」
という真顔での抗議に近い質問を受けた記憶があります。
「論語読みの論語知らず」とありますが、折角名言を学んでも、文章の表面理解のみに
固執し生活面での応用工夫を怠りますと、このような捉え方に陥ってしま います。


私の名前は「孝男」ですので、若い時から親孝行の工夫をしてきました。
父がなくなる一年前の87才の誕生日に、ふと思いついて初めて毛筆で手紙を書きました。
内容は孝男という名前を付けてくれたことのお礼、素晴らしい父母の子供として生れた喜びなどですが、
同居している兄からの報告ですと大変喜んでくれたそうです。

父の予想外の喜びに遭って、本当の親孝行とはこのようなものかと実感した次第でした。
孝経の「身を立て、道を行い、名を後世に揚げ・・」は、狭く読めば世間での出世主義となりますが、
広く読めば我が子が社会的に一人前になれた証拠(例:親 への手紙)を示し、安心させてやることです。


もう1つの親孝行は、子供の仲の良さです。
この世に残る子供たちが不仲では、先に逝く親は辛いことこの上もありません。
親と同居する者や常に兄弟姉妹の全員を心配する長男は大変ですが、他の兄弟たちが、
これらの者や連れ添いの苦労を理解することが、兄弟姉妹が仲良くできるコツでもあります。

夫婦においてもお互いの両親を大切にする心掛けが、水準の高い夫婦生活を営むコツでも
ありますから、子は鎹(カスガイ)といいますが、 親も鎹といえます。
またしばしば片親が生存している遺産相続などで、残された親の悲しみを察することなく、
子供達が血みどろの争いをするのを見受けますが、大変悲しいことです。
 

 
 
杉山巌海

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