世界同時不況から15ヶ月、2007年11月からの景気後退は27ヶ月になります。
この間、いち早くV字回復を遂げた中国やインドなどの新興国に対して、先進国経済の停滞が目立ちます。
特に日本は内需、輸出とも振るわず、デフレ経済からの脱出策が見えません。
新興国と先進国の成長力格差、その象徴として中国のGDPが今年中に日本を凌駕するとの予測も既に周知のことです。
経済のグローバル化により、ジーンズ等のカジュアル衣料価格が10分の1程の激安になり、高品質な縫製がベトナムや
バングラデシュで実現しています。BRICsやVISTAだけが新興国ではなくなりました。
世界の生活水準が、一部の例外はあるにせよ、ますます平均化すると予想される時代には
、企業経営だけでなく相続事業承継も世界的な大局観に則って検討される必要があります。
未来に承継される財産は、歴史の変遷に耐え得るものでなければなりません。
OECD(経済協力開発機構)の調査によると、19世紀初頭までの農業経済中心時代は、
中国とインドが世界経済の半分を占めていました。
その後200年の歴史において、産業革命による工業化近代化が進展し、日本を含む先進国が世界経済の中心を成しました。
そして、21世紀になり世界経済の中心が、欧米からアジアに、西から東に逆戻りしています。
国連の推計では、2020年の中国とインドの人口は各々14億2000万人と13億8000万人に達し、
人類の3分の1以上が両国民になります。
これらの国を含め現在、新興国と呼ばれる国々が、莫大な中産階級を擁する巨大市場に育っていることでしょう。
企業も経営者個人も消費者も、相続事業承継と不動産や金融資産の価値保全・資産管理に関して、
このような大局観に基づく検討が不可欠になりました。
(注)BRICsとは、ブラジル・ロシア・インド・チャイナの頭文字
(注)VISTAとは、ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチンの頭文字