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第二十一話 何事もシンプルが一番だ(無垢工房)

社長の口ぐせ経営哲学

最近、木のおもちゃが注目を集めている。
「木のおもちゃ作家」「おもちゃデザイナー」、さらに「おもちゃの大工さん」という肩書きを持つ
野出 正和さん(無垢工房・代表、39歳)は11年前、木のおもちゃ作りで開業した起業家である。

埼玉県飯能市に拠点を持つ無垢工房は、木のおもちゃで無垢ブランド(MUKUstudio)の製造販売と
木のオーダー商品づくり(おもちゃから家具作りまで)、保育園や幼稚園の設計・トータルコーディネー ト、
おもちゃイベントの開催、工作教室など幅広く事業を展開している。


事業の売上げの内訳は自社商品販売が1割、オーダー・内装関係が6割、イベント関連と工作教室が3割である。
販売ルートは代理店として全国の木のおもちゃ専門店45店で店舗販売されている。
そのうち13店舗が独自のやり方でネットショップを開設している。
無垢工房は木のおもちゃのメーカーとして代理店に無垢ブランドを卸している。


無垢工房の野出正和さんが木のおもちゃ作りを始めたのは、長男の誕生がきっかけだった。
保育士養成の専門学校を中退後、公益法人の事務職、販売営業、
医療コンサルティングなどの職を経験したが、結婚後会社勤めを辞めた。
一生涯できる仕事を長い間模索していたが、子供が産まれてから
「輝いているオヤジの背 中を見せたい」ということで、好きな木のおもちゃ作りを生涯の仕事にしようと決意が固まった。


野出さんは「木のおもちゃの魅力はまず素材にある」という。
安全でシンプルなデザインこそ遊び方も広がり、ぬくもりを持つおもちゃが仕上がるという。
「おもちゃに遊ばれないで、遊び方を作り出せるおもちゃを開発しよう」と心掛けているという。
スタッフにいつも言っているのは「何事もシンプルが一番」「情報量を増やせ」である。
複雑に考えてもきりがない。常に「イエスか、ノーか」の二者択一がいいという。
頭を柔らかく、決め付けないで、興味を持つことがモノづくりで大事だという。


野出さんはおもちゃ作家として仲間作りにも積極的に動いている。
10年前から日本おもちゃ会議のメンバーとして活躍。
2年に一回開催される「創作おも ちゃフェスティバル」などにも積極的に関わっている。
また、7年前からは野出さん、檜山永次氏、中井秀樹氏の三人で設立した
創作おもちゃ普及協会「STA」も活動を展開している。


単純に木のおもちゃを作って売るだけでなく、自社商品づくりからフェアの開催、工作教室の開催、
保育園の内装のトータルプロデューサー、テレビ出演など、木のおもちゃの普及に幅広い形で動いている。
ビジネスで成功しようと思ったら、「夢の実現」を諦めないことである。
野出さんのように、「木のおもちゃ」のことを語る時の眼の輝きこそ、商売を繁盛させる重要な要素と言っても過言ではない。



                                                             上妻英夫

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