日本のGDP構成比は、概ね第1次産業が2%、第2次産業が25%に対して第3次産業が73%を占めている。ものづくり大国というイメージから製造業のGDPが大きいと思われがちだが、サービス業の構造改革を進展させることが日本再生戦略の中核的課題だ。
1) 健康産業
元気で長生きできる健康寿命が注目されている。男性で70.42歳、女性73.62歳とそれぞれ平均寿命よりも約9歳と13歳も短くなる。健康への関心は高まり、健康管理のTV番組が増えて、これを実践するためのスポーツクラブも元気なシニアの社交場になっている。今後もシニアが消費全体を引っ張り、日本経済の再生に繋げて頂きたいもの。スポーツ用品の製造販売、海外富裕層に対するメディカルツーリズム関連企業に注目したい。
2) 医療介護産業
75歳を超えると医療費支出は30代と比べ8倍に増え、今後も医療介護分野は成長市場である。iPS細胞やスーパーコンピューターの活用で新薬開発の加速が期待される医薬品業界は、現行の薬から後発薬へのシフトが進む可能性もあり注意が必要である。
一方、新ビジネスの種も多く、海外の病院チェーンを買収する総合商社、痛くない注射針や軽くて丈夫な車椅子、介護用ロボットや衰えた筋力を補うロボットスーツなど、高齢化先進国日本で成長企業が多数ある。
3) 子育て・教育産業
人口減少社会では、子育て中の女性の戦力化が不可欠である。保育園の設立認可基準の見直しなど規制緩和を推進しなければならない。国内の少子化により学習塾も海外展開が加速。海外留学を増やすと同時に留学生の来日を促進する大学の国際化が待たれる。教育や医療で思い切った規制緩和を行う特区を実現させて、技能のある外国人居住者も増やす。コンパクトシティ構想と国際色豊かな街づくりを組み合わせれば、地方不動産の活性化にも結びつくだろう。
このように、資産運用に関係の深い話題が私たちの身の回りには溢れている。様々な情報を考察して、よりよい資産形成に役立てて頂きたい。
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