menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

経済・株式・資産

第68回「土地資産活用と空き家問題」

会社と社長のための資産管理講座

少子化と高齢化による人口減少の結果、日本全国で適正に管理されず放置された空き家が急増して問題になっている。これは人口減少が深刻な地方都市だけの問題ではなく、全国的に有名な住宅地を有する東京都世田谷区などの都市圏住宅地でも共通の問題である。

戸建住宅であれアパートであれ、放置された空き家が増加するということは、ゴミの不法投棄場所や不審者の住処になるなどの防犯上の問題も発生する。また、ちょっとした地震や台風などで倒壊する危険や落雷などで自然火災が起きる危険など、防災上も大きな問題だ。景観の悪化により、所有者個人の資産価値だけでなく地域の資産価値も毀損する。

さらに、7月に総務省が発表した住宅・土地統計調査によれば、国内の住宅総数に占める空き家の割合(空き家率)が、2013年10月時点で13.5%と過去最高を記録した。5年に一度実施するこの調査で、前回2008年の空き家率は13.1%だったので、0.4ポイント差ではあるが、実数として63万戸と着実に増加している。全国的に7戸に1戸は空き家である。

その一方で、来年1月からの相続税の増税に備えて、いまや全国的に相続対策ビジネスが盛況だ。有力な節税対策の一つとして、遊休土地上にアパートやマンションなどの貸家を建築して相続財産評価を減額する方法がある。既に実行済みの方も多いはずだが、これから検討する方は建築後の中長期的な稼働率をしっかりと予測して頂きたい。

空き家率が20%を超える県もあり、竣工当初は満室でも数年経過して老朽化が目立つと空き家率も急増するものだ。甘い見通しに基づく建築計画は不動産経営そのものを危うくして、結果として相続税の節税効果以上の資産損失を招くおそれがある。不動産経営の採算性に関して、従来以上に厳しい目を向けて計画しておきたい。

アベノミクスの地方再生戦略などにより、規制改革特区などに指定された地方都市の復活も将来的には期待できよう。しかし確実性が高いのは、人口流入が続き、常に再開発と産業革新が起きる東京などの大都市圏と地方の中核都市ではないか。特にその都心部は、職住近接を望む若年層や学生など単身者需要に底堅いものがある。

今後も全国的に単身世帯の増加が確実であっても、比較的高所得者は利便性や居住空間の快適さに関して妥協しない。このような厳しいユーザーに選択されて将来も競争力を維持し続ける物件なのかどうか、借主の立場になって確認することが重要である。

                                      以上

 

第67回「経済に明るさの見える今こそインフレ対策を」前のページ

第69回「現在のドル高・円安を考える」次のページ

関連記事

  1. 第57回「資産運用の考察 日本再生と健康・医療介護・子育て産業」

  2. 第54回「リーマンショックから4年半余、長期分散投資を再考すると」

  3. 第24回  「経済大国の変遷、大局観に基づく相続事業承継を」

最新の経営コラム

  1. #2 一流の〈相談乗り力〉-相手になりきって聴く-

  2. 第49回 「お客様第一主義」の根本

  3. 第213回 少数株主からの買取請求を阻止せよ!

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 税務・会計

    第72回 インボイス制度点検その3 免税事業者との価格交渉に注意!
  2. サービス

    38軒目 グループ客にフォーカスする
  3. 戦略・戦術

    第2回 経営を継続するにはどうしたらよいのか?
  4. ブランド

    常に身は軽くスマートに
  5. マネジメント

    第304回 損益分岐点を下げる
keyboard_arrow_up