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経済・株式・資産

第8回  資産の色分けによる相続対策と資産管理 2 

会社と社長のための資産管理講座

前回は、個人の資産を効果的に管理・運用するための方法として、
お金をひとかたまりと考えずに『自分の世代で使いきる資産』と『子や孫の世代に残す資産』に分けることを紹介しました。
 
今回は、これらについて安全性を重視して『守る資産』と、積極的に運用して『殖やす資産』に分けて考えてみます。
基本的にセカンドライフのお金は、守り・保全に重点を置きますが、それだけでは不十分で、守るためにも攻めることが
必要な時代になりました。こうして自分の資産を4分割し、その目的にあった金融商品で管理・運用します。


預貯金だけで守ろうとしても、コストプッシュインフレや円安による輸入インフレには勝てません。
また、不動産を守ろうとしても、人口減少地域にあっては価値を保てません。
従って、守る運用と殖やす運用の両方に配慮するバランス感覚が求められます。


『自分の世代で使いきる資産』のうち『守る資産』

今後の生活を支える資産なので、必要なときに生活費として引き出せる流動性を重視します。普通預金などの流動性預金、
定額や変額の個人年金、セカンドライフにゆとりや安らぎをもたらす別荘などの生きがい用不動産などが該当します。
ただし、別荘などは子供に引き継がないならば、元気なうちに処分が必要です。


『自分の世代で使いきる資産』のうち『殖やす資産』

運用すべき資産と運用できる期間を見定めた上で、国内外の株式や債券、
これらを組み入れた株式投資信託、不動産投資信託、外貨建てMMF、外貨預金などで運用します。


『子や孫の世代に残す資産』のうち『守る資産』

最初から残すつもりの資産と、何歳まで生きるかわからないので結果として残る場合があります。
従って、自宅の土地建物を含めて、相続を考慮した分割のしやすさと流動性の高さを重視しましょう。
生命保険、配当利回りが高く株価も比較的安定している優良上場株式、これらを組み込んだ株式投資信託などが該当します。


『子や孫の世代に残す資産』のうち『殖やす資産』

相続税の負担も考慮しつつ、前段の『守る資産』で挙げた資産に加えて、国際分散投資を意識して、資源国通貨による
外貨建て資産、株式・債券などの金融資産とは異なる値動きをする金・金地金などの現物資産での運用を検討しましょう。


私達の生活を取り巻く環境は大きく変化しており、インフレ経済・人口減少社会・大増税などマクロな視点からの理解が
求められます。自助努力で形成したご自分の資産を、これまでの経験や身の丈にあった資産運用によって価値を
高めつつ、長期的な視点で子や孫にとって実りのある資産として引継ぐための資産管理能力が求められています。

 

●資産全体を把握して、目的別・使途別に区分して保全や運用を行う

●資産の色分けに従い、「安全性」「流動性」「収益性」を勘案し、商品を選択

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