経営者は、会社資産は把握できていても、ご自身の資産には無頓着という方が少なくありません。
しかし、人生をより豊かにするためには、個人の資産管理にもっと目を向けて下さい。
一般的には、お金は貯めて増やすことが難しいと考えますが、お金を上手に使うことの方がさらに難しいという現実があります。
それというのも、貯蓄残高を使い切った時に丁度お迎えが来る訳ではありません。
もともと日本人には倹約思想がある上に、「何歳まで生きるかわからない」との不安もあるので、
貯蓄の減少を気にするあまり、本来は使えるお金も上手に使えず温存してしまう傾向があります。
そこで、セカンドライフのお金を「ひとかたまり」と考えずに、目的別に「資産の色分け」をすることが不可欠です。
具体的には、自分の資産を『自分の世代で使いきる資産』と『子や孫の世代に残す資産』に分けてみるのです。
『自分の世代で使いきる資産』は、暮らしを豊かにするために気兼ねなく使える資産です。大事なことは残高を気にせずに
使える仕組みをつくっておくことです。例えば、公的年金で不足する金額に充てるために、まとまった資金を個人年金保険の
保険料として払っておきます。こうすれば、一定の据置期間後、預金口座に個人年金が振込まれるので、公的年金と
同じ感覚で使うことができます。工夫次第で同じ資金を使う場合の心のゆとりが違ってきます。
『子や孫の世代に残す資産』は、子や孫を思いやって残す場合と、残すつもりがなくても結果として残ってしまう場合があります。
これらは、死後整理費用や相続税に対する配慮が欠かせませんが、同時に、どのような種類の資産で引き継ぐかが重要です。
自分が残した資産が、インフレ経済・人口減少社会・大増税時代に資産価値を保ち、
子や孫に本当に役立つものとして引継げるか、じっくり資産管理法を検討しておきましょう。
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