経営コンサルタントとして長年 仕事として携わり、つくづく思うことは、創業者、二代目、三代目と会社経営がなされて 今日 三代目社長と創業者を比較して、何が異なるかといえば、「世の中の風」のとらえ方ではないかと思います。
三代目社長として経営をなさっている会社は、そこそこ成功を収められ、業界の中でもトップ群の中におられ、会社も個人も財をなされている方が多いです。
私は、今まで申し上げたように
第一次、第二次石油ショック
バブル景気崩壊
阪神大震災
ITバブル
リーマンショック
東日本大震災
新型コロナウイルスショック
これだけの経済大災害の中、大変な思いで生き残るために50年間経営のお手伝いをやってきました。
これらの大ショックの他にも、狂牛病騒ぎや急激な円・ドル高騰、デリバティブ損失、などもありました。
幸いに関係したクライアントからは倒産も生まれず、今日 恨まれることなく、感謝された会社も多くあり、よい経験をさせていただきました。
こんな、会社の存在を根底から揺るがす大災害は 皆さんだれも予想しないことです。出来ないことなのです。
その中にあって、人一倍苦労をなさってこられた創業者はすべからく「危機予知能力」をもっておられたことであり、三代目、四代目の若い方はこれが不足しているということです。
「こんなにうまくいっているが いつまでも続くはずがない! 」
「新たな危機が生まれているのではないか?」
と疑って創業者は歩んでいるのです。二代目や三代目は、全く恐れがなく 甘く見ているのです。
そのおかげで、これらの予想しないことが発生すれば、創業者はすぐさま、かなりきつい手を打ちます。厳しい環境は 同業者も同じなのです。
この時に
早く手を打てるか?
財務的(金)に余裕があるか?
引くべきものはサッサと引く
打つ手の早さ、財務的に優位に立てる策を打つかにかかっています。
世の中で倒れる会社や個人経営者が出ることは悪い事ではないのです。資本主義社会は常に競争社会なのです。優れた者が勝ち、弱い者が倒れるのです。
あらゆる生物、動物の生存原理なのです。
今回は、外食産業、観光産業に多くの倒産が出るでしょう・・・強い会社が、また、再開するのです。買収も多く行われるでしょう。
その意味でコロナ騒ぎは、「ピンチはチャンス」、なのです。
このショック禍においても、財務の強い会社は弱い会社を飲み込むことを、考えているのです。
思い起こせば、
太平洋戦争最中、私は昭和17年に生を受け、食べるものがない戦後廃墟の大阪で幼児時代を過ごしました。
極貧とはどんなものか・・・・食べるものが不足し、三度の飯が食べれない生活。
ノミやシラミに血を吸われ、回虫に腹を下し、栄養失調で緑色の鼻をたらし、頭の毛にはクサやオデキができた時代を生きてきました。
社会人ならずとも私の家だった町は 大阪の郊外、昔は北河内郡三郷町(現 守口市)
と言われたところです。
松下幸之助氏は、大阪の鬼門にあたる安い街に松下電器、サンヨーと軽家電工場を設けたのです。
あの辺りはシャープやオンキョー 新日本電気(NEC)の下請けが多くあり、景気変動ごとに多くの家内工場が生まれては潰れていく様を見てきたのです。
夜逃げする友達家族、逃げてきた家族など 私にとっては 貧しさの恐怖が身についているのです。
やっと社会人としてスタートした昭和41年 オリンピックで沸き返った日本も その2~3年後にはその反動で、オリンピック不況が訪れたのです。
昭和48年3月1日 経営コンサルタント会社に入社し、経営コンサルタントとして歩み始めたその秋に、1バール2.5ドルの安さであった原油価格が、たちまち20ドルに、そしてあれよあれよという間に 40ドル、そして、80ドルまで上がっていったのです。
当時、私の住んでいた千里ニュータウンからトイレットペーパーがなくなりましたが、なにしろ、なんでもなくなったのです。
急激なインフレ、物価狂乱を迎え 日用品のモノの値段が上がるので、会社は特に原材料(段ボール、石油製品、鉄、タイルセメント、 木材等)を溜め込んだのです。
よって、それらを持っているメーカー、商社は 昭和50年、51年の決算は大黒字でした。
しかし、次の年の昭和52年はその反動で、大不況。次々に会社は潰れていったのです。原材料は高い、売れない、それを使って製品にしても 又、売れないからです。
私は、それらの渦の中で、悪戦苦闘、肉体的にも精神的にも参りましたが、今となっては良い経験をさせてもらいました。その頃、第一線に立たれていた経営者は、ほとんど鬼籍に入っていらっしゃいます。
よって、世の中 何が起こるか全くわかりません!
新型コロナ騒ぎも昨年末には 誰も予想しなかったことです。新節を迎えた中国からまた、爆買いに来てくれると思っていたのでしょう・・・。
突然、大変化が発生し、貯えや準備のない会社や人間は 潰されてしまうのです。良いことは長くは続きません。しかし、生き残った人や会社は 立ち直って 良い目をするのですね。 私は多くのそれらを見てきました。
よって、私は「マサカの坂」に対処せよ と申してきました。貯えのある人間、会社にしておくべきなのです。
「キャッシュ イズ キング」 キャッシュフロー経営の真髄を身につけるのです。
後継者セミナーで多くの塾生に自己資本の大切さ、キャッシュフローの実践を説いてきました。実践された塾生の多くは この波を超えておられるようです。