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戦略・戦術

第180回 資本金1,000万円時代到来

強い会社を築く ビジネス・クリニック

コロナ禍で、資本金を減らす会社が、続々と出ています。

特にコロナの影響をもろに受けている外食産業、旅行業界で、

資本金を減らす会社が続出しています。

(例えば、JTBは資本金23億円を1億円にしています)

新聞に出てくる会社は、上場会社が多く、

そのほとんどは、資本金を1億円にしています。

ご存じのとおり、資本金1億円以下となると、

税務上は、中小企業となり、優遇税制がたくさん受けられます。

減額分は剰余金に組み替えるため、自己資本は減りません。

資本金1億円以下のメリットとしては、

①即時償却、特別償却が使える

②30万円未満の資産を買った場合は、損金に落ちる

③多額の損失が発生した場合、最大10年間は税金を払わなくて済む

④多額の損失が発生した場合、前年に支払った法人税を取り戻せる

⑤交際費が800万円まで損金になる

⑥法人税率が優遇されている

⑦住民税が安い(数万円~10万円程度安く済む)

⑧赤字でも税金がかかる外形標準課税が発生しない

⑨税務調査は、税務署が対応する(資本金1億円超は、国税局対応)

資本金1億円以下は、中小企業とみられるわけですが、

これは、あくまでも税務上の話です。

中小企業庁は、また別に、中小企業の要件を定めています

例えば、経営セーフティー共済は、業種によっては、

資本金1億円以下でも、この共済に加入できない会社もあります。

(小売業、サービス業、旅館業など)

資本金5,000万円以下であれば、どんな業種でもセーフティー共済に加入できます。

セーフティー共済加入のほかに、現在、目玉となっている、

事業再構築補助金などの助成金についても、この基準が適用されます。

業種によっては、資本金が1億円だと、こうした支援が受けられない会社もある、ということです。資本金5,000万円以下にしておけば、例外なくこうした支援の対象となります。

新聞を見ていると、「中小企業が優遇を受けていてけしからん」という論調もあります。特に、税務メリットを受けるために、大企業もこぞって資本金を減らしており、中小企業に該当するかどうかのバロメーターとして、

資本金1億円は相応しいのか?これまでも議論されています。

この意味で、将来的には、税務上の大企業の基準が、

資本金1億円から引き下げられる可能性は十分あると思っています。

ですから、私は、資本金1,000万円でも良いと考えるのです。

資本金を1,000万円にすると、法人住民税も10万円ほど安くなります。

(これは従業員数によっても変わります)

よく、会社のホームページを見ると、

「資本金 ○億円」と書かれいる会社があります。

資本金の大きさが会社の信用を表す、人材採用で有利になる、

という感覚は、今もなお存在しています。

しかし、財務がよくわかっている人からすれば、資本金額の大きさを競うことは、意味がありません。大切なのは、自己資本です。

資本金を減らしても、自己資本の金額が減ることはありません。減資をしても、株価も、銀行評価も、何も変わりません。

それでも気になる会社は、「資本金」という表示を、「資本金等」という表示に変えて、これまでどおりの資本金額を表示させてください。

あるいは、グループ会社が複数ある場合は、「グループ資本金」として、

できるだけ多く表示させている会社もあります。見せ方は、さまざまです。

いずれにせよ、資本金というモノサシは、遺物となりつつあるのです。

御社の資本金は、いくらでしょうか?

 

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