襟元を見れば仕事へのやる気が見える、これは世界共通。映画やドラマの中でも、ぴしっとしたワイシャツの襟、ネクタイをきりりと締められた襟元は、出来るエグゼクティブの表現であり、そしてその反対に、うらぶれた役、出来ないビジネスパーソン役では、襟元の締りのない様相として演出されているのは、それが非常にその存在感を見ている人に容易にイメージさせることのできる部分だからでしょう。
「襟を正す」という言葉の意味を調べると「1.自己の乱れた衣服や姿勢を正す」「2.それまでの態度を改めて、気持ちを引き締める」とあるように、襟元は、その部分だけのことではなく、その人のアピアランス(見た目)を代表する部分であり、その方の内面の有り様をそのまま表していることが良く分かります。
人との初対面、何があっても最初に見るのは顔。その顔の真下にある襟元は、もはや顔の一部であり、総合的なその人の全体像を掴む為の大切なつなぎ目でもあります。その襟元がきまらないと、整理のついていない印象(まとまりのない人)、バランス感覚の良くない印象であると人は受け取れるものです。
では、襟元で大切なのは?ネクタイの結び方、そしてワイシャツ襟の形やサイズ、それらと顔とのバランスと挙げられます。その中でも今回はワイシャツの襟にフォーカスしてお話を進めましょう。
先日来行ってきた某社のトップエグゼクティブ対象コンサルティングでも、非常に気になった(目に付いた)のがワイシャツの襟。全体的にそれなりのバランスが取れている方であったからこそ、その部分が非常に目に付いてしまったとも言えます。その原因は、スーツの襟元が作るVラインにワイシャツの襟の先端が重なっていないということ。このようになっていらっしゃる傾向は、比較的年齢が高めの方に多くいらっしゃいます。原因の一つに、ワイシャツの襟の形にレギュラー・カラーを選びがちだからと言えるでしょう。顔の下にできる大きなVゾーンの上底に小さな逆三角が二つ並んでおり、顔の直ぐ下で表情をきりりと引き締めるネクタイの結び目効果が薄れるほど、不要な情報(ノイズ)が過多になっているのです。
正しくは、こちらの写真のようなバランス。Vゾーンのラインに襟の先端及び外側のラインが収まっています。その中心を縦にネクタイが引き締めており、整然とした落ち着きのある印象を作り出しているのです。
この2枚の写真(もしくはこれと同じ状態)を、何人もの人に見比べてもらい感想を聞いてみると(コーディネートされた衣服の違いは除き)誰もが口をそろえて「後者の方が整然としており、見ていて良い印象」との意見がかえってきました。これが広く一般の方々の受け取り方。従って、企業のトップとして会社を背負い公の場に登場するのであれば、この襟元の印象はその方の全体像を大衆にどのように受け取られるかを左右する大切な部分だと言えるでしょう。
襟元のマネジメントは、人のイメージで最も力を持つ「顔」を引き立て、すっきりと引き締まった印象に整えます。皆さんのスーツとワイシャツの襟、この関係性大丈夫ですか? 2011年、より一層の飛躍に向けて、ここで襟を正してみませんか。装い・姿勢、気持ちさえも自ずと正され、ビジネスでも大きな結果が現れることでしょう。