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不動産

第37回 地盤地図を見て杭の長さが20メートル以上になる土地は工事費が割高になるので購入は控える事

売れる住宅を創る 100の視点

今回はフェーズ6「 土地の仕入れ 」の大切なポイント七項目の第四項目『 地盤地図を見て杭の長さが20メートル以上になる土地は工事費が割高になるので購入は控える事。』のお話を致します。

前回はフェーズ6「土地の仕入れ 」の第三項目『 斜面地は「開発行為」等が必要なので地価が安くても仕入れない事。 』の大切さを私の今までの経験を通して具体的に御説明致しました。前回では分譲マンションや建売戸建の用地選定で総事業費が割高になったり販売までに時間が多くかかるリスクが高いので「 斜面地 」はなるべく避けた方が良いと御説明致しました。
 
今回はフェーズ6「 土地の仕入れ 」の第四項目です。前回も申し上げましたが、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとっては用地の仕入れを誤れば会社の存続に影響を及ぼします。ですから、今回のタイトルは『 地盤地図を見て杭の長さが20メートル以上になる土地は工事費が割高になるので購入は控える事。 』に致しました。今回も特に私の今迄の設計業務に基づいた経験則ですので、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーはこれから用地仕入れをする場合には地盤調査を綿密に行なう事です。これからその理由を御説明致します。
 
前回も申し上げました様に私は2000年に体調を崩し「 東急設計コンサルタント 」設計部長を辞し退職致しました。 「 東急設計コンサルタント 」在籍中に数多くのマンションの設計・監理の経験が現在では私の財産です。そして、2002年に「 碓井建築オフィス 」を設立し、その後現在までに十数社の準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの分譲マンションや建売戸建団地の用地買収のコンサルティングも沢山行い、これらの経験を踏まえて、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーに今回も用地選定では絶対にリスクの高い地盤の悪い土地の買収は絶対に避けるべきだと申し上げます。
 
まず、用地情報が入りましたら「 国土交通省 」のホームページを開いて下さい。URLは以下です。
 
http://www.mlit.go.jp/

その「 国土交通省 」のホームぺージの上段に検索項目を入れる欄がありますので、そこに「 国土地盤情報検索サイト 」と書き入れて検索ボタンをクリックしてください。
 
そう致しますと『 「 国土地盤情報検索サイト 」に関する検索結果のページ 』が出てきますので、上から4段目の『 「 国土地盤情報検索サイト 」(KuniJiban) 』をクリックして下さい。
 
『 「国土地盤情報検索サイト」(KuniJiban)の開設というページ 』が出てきますので、今度はそのページの中程に有る『 「国土地盤情報検索サイト」(KuniJiban) 』の文字の下のURLをクリックしてください。ちなみにそのURLを下記に記しました。
 
http://www.kunijiban.pwri.go.jp 

これで『 「 国土地盤情報サイト Kunijiban 」のページ 』が表れて左側に青い日本地図が書かれています。その青い日本地図は白線で県境の線を入れていますので、調べたい都道府県をクリックして下さい。そして使用方法は先程の「 国土地盤情報検索サイト 」に関する検索結果のページを出して『 「国土地盤情報検索サイト(KuniJiban)」の改良について 』をクリック致しますと図解で使用説明が出てきます。ちなみにURLは以下です。
 
http://www.mlit.go.jp/common/000117881.pdf

このページを見ながら『 「 国土地盤情報サイト Kunijiban 」のページ 』で調査したい地域の地盤状況が柱状図と共に分ります。「 N値 」の良い地盤が地表から何m下に有るかが分ります。
 
マンション用地の場合では「 N値50 」が出ている地層が地下20m以上の場合は基礎工事費にお金がかかりますので、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとってはその用地取得は避けた方が安全です。
 
理由は杭工事費は大雑把に申し上げますと長さ1mに付き約1万円です。例えば20mの杭を20本必要だと致しますと杭工事費だけで約400万円以上のお金がかかるのです。
 
またもう一つの理由は杭の長さが長い程折れやすいのです。地上の柱の長さが20mとしても約3m毎に大梁でつないでいますので、折れにくいのですが、杭長が20mでも横つなぎしていませんので、地震時に地盤が液状化しますととても折れ易いのです。
 
私の独断と偏見になりますが、杭の長さは20mまでですと、まあこれから来ます大地震に耐えられるのではないかと思います。
 
杭長が20m以上必要な土地は超大手か大手ディベロッパーにマンション事業を行ってもらえば良いのです。準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとってはその用地取得は避けるべきです。工事費の負担が高すぎます。
 
ディベロッパーの用地仕入れ担当の方に申し上げます。これから大きな地震がくると政府が発表していますので『 地盤地図を見て杭の長さが20メートル以上になる土地は工事費が割高になるので購入は控える事。 』を是非守って下さい。
 
次回、第38回はフェーズ6「 土地の仕入れ 」の大切なポイント七項目の第五項目『 嫌悪施設が近くにある土地は避ける事。 』をお話いたします。次回も期待して戴ければ幸いです。
 
以上  
碓井民朗

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