今回はフェーズ7「 住環境づくり 」5項目の四番目に大切なポイントである『 自然環境が良い事 』の御説明を致します。
前回はフェーズ7「 住環境づくり 」の第3項目『 教育環境が良い事 』のお話を致しました。『 教育環境が良い事が大切 』は不動産事業での用地手当てに関する際にはかなり重要な事です。その大切さは私の今までの経験を通して御説明致しました。最近は特に「 2極分化 」が顕著で「 勝ち組 」になる為には、子供の学校には関心が高いのです。準大手や中堅ディベロッパーが新規分譲マンションや建売戸建の周辺が教育環境が良いと集客し易く販売も順調にいっています。住環境が良い地域でも教育環境が悪い地域で「 戸建団地 」や「 分譲マンション 」の販売はかなり苦戦を強いられています。
さて、今回はフェーズ7「 住環境づくり 」5項目の第4項目です。毎回、申し上げていますが、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとってはこれから分譲予定物件の「 住環境づくり 」はとても重要で会社の良否につながります。
ですので、今回のタイトルは四番目に重要な『 自然環境が良い事 』に致しました。今回も私の今迄の分譲マンションや建売戸建の設計業務の経験に基づいた大切なお話です。乳幼児が居る御家庭やシニアーの方々の生の声です。準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの方々に『 自然環境が良い事 』の重要さを具体的に御説明致します。
毎回、申し上げましていますが、私は2000年に体調を崩し「 東急設計コンサルタント 」設計部長を辞し退職致しました。「 東急設計コンサルタント 」在籍中に数多くのマンションの設計・監理の経験が現在では私の財産です。そして、2002年に「 碓井建築オフィス 」を設立し、現在までに十数社の準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの分譲マンションや建売戸建団地等の商品企画のコンサルティングや設計監修を数多く行っています。また、購入者向けに「 購入相談 」「現地同行チェック」や「 内覧会同行チェック 」も行っていますので購入予定者や購入者の生の声を沢山聞いておりこのコラムに反映させております。
これらの業務の経験を踏まえて、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの用地取得担当の方に申し上げたいのは、今回も特に用地選定にもかかわる事ですので『 自然環境が良い事 』は用地仕入れ担当者の方々だけでなく、商品企画部門のメンバーの方々や販売担当の方々にも是非御読みいただき商品企画やセールストークに生かして戴きたいのです。
「 住環境づくり 」で四番目に重要なのが『 自然環境が良い事 』なのです。
「 住環境の良い地域 」で「 戸建団地 」や「 分譲マンション 」を販売致しますと、交通利便性が良いと直ぐに申し込みは入りますが契約までにはなかなか至らず、前々回の『 社会環境が良い事 』、前回の『 教育環境が良い事 』や今回の『 自然環境が良い事 』を重視いたしませんと販売時に直ぐには契約までこぎつける事が困難になります。
特に最近の都市部の分譲マンションや建売戸建の購入者は、緑を気に致します。自然環境が良い事は子供の感性を高めたり、情操教育にはとても役立ちます。また、シニアーの方々にも自然環境が良い事が新規分譲マンションや建売戸建の購入動機になって重視する傾向が有るそうです。
では具体的に『 自然環境が良い事 』とは何でしょう…。
具体的に申し上げれば、分譲物件の周辺の緑化率です。物件周辺の緑化率が低いと販売に苦慮致します。その一例を御説明致します。分譲物件の地域・地区が商業地域ですと緑化されている場所はほとんど有りません。特に最近は商業地域の再開発物件が目白押しに増加しています。再開発物件の場合、「 総合設計制度 」を取り入れて、容積率の割り増しや高さ制限の緩和を所轄の地方公共団体にしてもらいます。その見返り条件として敷地の約半分位の面積を「 公開空地 」として整備させられます。所轄の地方公共団体の指導にも依りますが「 公開空地 」には緑を若干植えなければなりません。この緑は元から有った樹木は伐採され、新たに人工緑化されたもので、西洋庭園的なものです。ちなみに日本庭園と西洋庭園の大きな違いは日本庭園は昔から有った自然の樹木を大事にそのまま残し更に緑を増やしたり池等を配置し、大自然の雰囲気を反映させたものです。それに引き換え西洋庭園は幾何学模様状に植栽をし、一見綺麗に見えますが情緒の無い無機質な公園です。再開発物件の「 公開空地 」の緑化はこの西洋庭園の様なものですので自然環境の良さは望めないと思います。やはり緑化率が高いのは住居系の地域です。住居系の地域は大抵徒歩10分圏内に児童公園等が有り、周辺の戸建も緑化しています。近くに鎮守の森が有る神社があればかなりその立地は緑化率が高く自然環境が良いのです。新規分譲マンションや建売戸建の購入予定者はほとんどの方が最寄り駅より現地へ歩いて行きますが、物件の現地に近付けばドンドン緑が増えてくる事がとても大切な事なのです。販売物件周辺の自然環境が良い事をおろそかにしては、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは販売に苦慮し、会社の体質まで見透かされてしまいますので要注意です。
次回は「 住環境づくり 」第5項目の「 周辺環境 」に関してのお話を致します。
次回も期待して戴ければ幸いです。