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不動産

第7回 これから企業は商品企画に重点を置く事

売れる住宅を創る 100の視点

私の経験では多くのディベロッパーがマンション用地を購入検討する際、設計事務所に「ボリュームチェック」
(容積の消化と専有面積の確保を検討するプラン)という図面を無料か安い価格で書かせます。

そのマンション用地で方位に関係なく専有面積(売り面積)が多く確保できれば、即買い付けを致します。
そして、先程の「ボリュームチェック」のプランをそのままで、商品企画や何の検討もせずに実施に移行していきます。


分譲マンションを作れば売れた時代は終わったのです。


最近の新規分譲マンションを見ていますと、何も目新しい住戸プランが有りません。

ただ、共用施設で差別化して売っています。その共用施設も3年~5年経てばほとんど入居者が使用しない施設が多いのです。
この使用しなくなった共用施設の維持費や固定資産税は未来永劫入居者が毎月払う、管理費や修繕積立金で負担しているのです。

これからの分譲マンションは共用施設の差別化で売るのではなく、
マンション本来の人が住む住戸プランの差別化で売らなければ売れないと思います。



手前味噌になりますが、昭和55年から昭和60年のマンション氷河期に私は多くの分譲マンションを「即日完売」させました。

一例を申し上げますと一番最初に「即日完売」させた物件は田園都市線「桜新町駅」より徒歩5分の「コートハウス桜新町」です。
この商品計画の時にディベの課長は販売単価が坪当たり約200万円だから1住戸の広さを20坪未満にしてグロス価格
(1住戸の価格)を4、000万円未満にしたいと言われたのです。

私はその課長に反論致しました。私自身、田園都市線沿線に住んでいますので「桜新町駅」より徒歩5分のマンションを購入
する人は20坪未満の広さの住戸には魅力を感じないと思ったのです。

私の想像する想定顧客(ターゲット層)はアッパーミドル層か親の住居が近くで子供をそばに永住させようとして購入価格の
一部を援助する方々だと思いました。

ディベの課長に私の想定するターゲット層を説明し、永住できる広さは必要ですと進言致しました。
その様に言いましたらディベの課長が「碓井さん、永住できる最低の広さは何m2ですか?」と聞かれましたので、
私は「80m2以上です」と答えました。
住戸の広さが80m2ですとグロス価格は5、000万円前後になりますので、ディベの課長が
「碓井さん、住戸広さが80m2位で良いプランを作ってきて下さい。もし良かったら採用致します。」と言われました。

会社に戻り毎日、私なりに「コンセプト」を考え続けました。ふと、浮んだ「コンセプト」が「戸建指向」で、
これをマンション住戸プランに取り入れようと試行錯誤しました。

「戸建指向」を住戸プランで実現させたのは「P・P分離」(住戸内のパブリックゾーンとプライベートゾーンの完全分離)
と戸建にしかない「勝手口」を設置したのです。
戸建では1階がパブリックゾーンで2階がプライベートゾーンでキチンと「P・P分離」されています。更に戸建では
メインの玄関とゴミを出したりするサブの「勝手口」が有ります。これをフラットな80㎡程度の住戸プランで作ったのです。

そのプランが出来、ディベの課長と次長に見せましたら「これなら売れる」と太鼓判を押してくれました。

あまり宣伝しませんでしたが、結果は別棟モデルルームをオープンしましたら、買いたいという方々が並び整理券を渡して、
販売当日1時間で完売致しました。その後は業界で話題になり、沢山のディベの方々が見学に来られました。



私の自画自賛になってしまいましたが、現在も当分マンション氷河期です。新規に分譲マンションを供給するディベは
競合他社と同じプランの住戸を作っていれば財閥系に負けます。

財閥系は「ブランド」だけで売れるのですから…。

沿線顧客の「ターゲット」を絞り、入念に良い商品企画を創りマンションに反映させなければ、生き残れません。

分譲マンションの供給の基本は商品企画が勝負です。初心に戻って商品企画に重点を置いて下さい。

 

以上

碓井民朗     

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