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不動産

第71回 「 二重床 」「 二重天井 」は必要最低条件-①

売れる住宅を創る 100の視点

今回は前回と同じフェーズ8の「 モノづくり 」です。その第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第5項目である『 「 二重床 」「 二重天井 」は必要最低条件-① 』に関してのお話を致します。

前回はフェーズ8の「 モノづくり 」に於いて、住まいの『 ハード面の重視 』の大切さを認識して戴く目的でこのコラムに於いて25項目用意致しました中の、第4項目の『 スラブの厚さは最低20センチ以上必要 』の御説明を致しました。
 
今回はその第5項目の分譲マンションのハード面の良し悪しに依って特に売主の会社の「 モノづくり 」に対する姿勢が問われる遮音性、メンテナンス性、可変性や耐久性の良し悪しに関して認識して戴く為に『 「 二重床 」「 二重天井 」は必要最低条件  』という内容を①、②、③、と3回に分けて、皆様に詳しく御説明致します。
 
さて、今回も建築家として、私が最も得意とする「 モノづくり 」における重要な「 こだわり 」の御説明であります。
 
今回も、分譲マンションの「 モノづくり 」に対する「 こだわり 」に於いて売主が入居者( 購入者 )サイドに立った商品を製造・販売しているか否かが購入者にとって大きな価値判断基準になりますので、私の今迄の経験を通して御説明を致します。
 
いつも、このコラムで、申し上げていますが、この処の準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの傾向を見ますと、良い商品を作って分譲している良心的なディベロッパーと、販売力の強さや数字のみに頼って分譲マンション等を企画し販売していますディベロッパーとの「 2極分化 」がとても進んできております。
 
販売力の強さと数字のみに頼って販売しているディベロッパーに於いて現在は相当な苦戦を強いられて売れずに在庫になっている住戸がかなり多いのが現状なのです。
 
その様なディベロッパーは資金の回収がうまく行かずに参っています。早く体質改善をして良い商品企画のマンションを分譲する方向に進んで欲しいと願っております。
 
更に、不動産業界は益々資本主義の原点である「 弱肉強食 」傾向が顕著になり「 超大手、大手ディベの寡占化 」がどんどん進み、準大手ディベや中堅ディベが超大手ディベロッパーに吸収合併されています。
 
準大手ディベや中堅ディベが、これらの会社と対峙し勝負するには是非、分譲予定物件の「 モノづくり 」にはトコトン「 こだわり 」や「 誠意 」を持って商品を作る事がとても大切だと思います。
 
また、その様にしなければ生き残れないでしょう。その様にされていれば顧客は売主の「 こだわり 」や「 誠意 」を敏感に感じとり購入意欲が湧きます。そして入居後もクレームの起きない良い商品を作る事で知名度も上がります。
 
誠意が感じられ入居後もクレームの起きない良い商品を作り続ける事に依って潜在顧客の信頼を勝ち取り、その結果で不動産業界や一般社会に於いて良い評判を立てる事が生き残る道です。
 
その様にされていれば、自ずと会社の信用度が高まり「 ブランディング形成 」( ブランドを高める事 )に結びつき「  超大手、大手ディベの寡占化  」に楔( くさび )を打てます。
 
準大手ディベや中堅ディベも 超大手、大手ディベと対等に勝負できる良い会社になると私は確信しています。
 
そして、それを永遠に継続し、魅力的なクレームの起きない良い商品作り続けていけば、準大手ディベや中堅ディベは不動産業界だけでなく、一般の社会でも会社名や「 ブランド 」名の知名度も上がり販売におおいに寄与致します。
 
ですので、いままでの私のコラムや今回のコラム71号~73号『 「 二重床 」「 二重天井 」は必要最低条件―①、②、③、  』を参考に「 モノづくり 」を継続する事に依って不動産業界の中で超大手や大手ディベロッパーと同様又はそれ以上に世間は評価致します。それでこそ、準大手や中堅ディベロッパーが生き残れる唯一の道だと私は確信しております。
 
「 継続は力なり 」です。そして常に事業社は「 誠実に勝る近道無し 」なのです。
 
その様になる為にも、今回のタイトルの「 モノづくり 」第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第5項目である『 「 二重床 」「 二重天井 」は必要最低条件―①、②、③、 』の内容は分譲マンションの商品企画・基本計画段階で建築物の遮音性、メンテナンス性、可変性や耐久性の良し悪しに関しての判断基準ですのでとても重要な事なのです。特に今回の内容は売主の評価に多いにつながる事ですのでとても大切な事柄なのです。
 
手前味噌になりますが、今回も私が今迄約30年以上手がけました新規分譲戸建や新規分譲マンション等の設計業務、工事監理業務や設計監修の経験に基づいた大変貴重なお話なのです。
 
準大手ディベや中堅ディベの方々はこれから進める、分譲マンション等の商品企画・基本計画時点に於いて是非今回のコラム内容を良く理解して取り入れて下さい。今回のコラム内容は、近年販売されている新規分譲マンションの仕様の中でも購入者( 入居者 )がかなりこだわりを持っている部分です。
 
そして、これも常に申し上げていますが、分譲マンションの計画時点で一言申し上げておきます。私が今までの設計業務の経験を踏まえて申し上げたい事は、準大手ディベや中堅ディベは、『 製販一体 』体制で絶対に行う事です。
 
分譲戸建や分譲マンション等の商品企画会議では製造部門と販売部門と一体になって戴きたいと思います。その理由は販売部門が顧客の生の声を商品企画会議で発言し製造部門に伝え、その内容が良ければどんどん商品企画や商品内容等に反映できるからなのです。
 
更に、今回の『 「 二重床 」「 二重天井 」は必要最低条件 』の具体的な必要性が販売部隊の方々も良く理解でき顧客に対して自信を持って説明できるからなのです。
 
前置きがいつも長くて申し訳ございません。さて、今回は『 「 二重床 」「 二重天井 」は必要最低条件―① 』をこれから具体的に御説明致します。
 
新規分譲マンションをお選びになる購入者の「 必要最低条件 」はその物件の住戸の仕様が「 二重床 」「 二重天井 」で有るかどうかなのです。
 
私が新規分譲マンション設計を30年近く行なった経験から言わせて頂ければ「 直床(じかゆか) 」「 二重天井 」は良くないと思いますし、「 二重床 」「 直天井(じかてんじょう) 」でも良くないと思います。
 
「二重床」「二重天井」と両方揃っているのが、これからの新規分譲マンションの仕様の「 必要最低条件 」だと思っています。
 
超大手ディベロッパーは今までずっと「 直床 」「 二重天井 」の物件を販売していましたが、最近になって良心的なディベロッパーはやっと「 二重床 」「 二重天井 」に方針を変更致しました。
 
その理由は「 販売部門 」からの強い要請で競合他社との差別化で「 直床 」仕様から「 二重床 」仕様に方針を変更したそうです。
 
この良心的な超大手ディベロッパーは「 販売価格の安さ 」で競合他社と勝負し、販売してきましたが、工事費を若干安くし、仕様を悪くして販売価格を安くする事が自社の「 ブランド 」を落とす事に気付いたのです。
 
「 直床 」仕様ではもう客離れが起きてきて「 販売部門 」が強力に「 二重床 」仕様を標準にする様に要請したとの情報です。
 
超大手ディベロッパーでは社内の設計基準をコストの高い方に変更するのは大変な事です。
余程の事が無い限りは標準仕様を上質な方向へは変更致しませんので「 販売部門 」の危機感が「 商品企画部門 」に伝わった結果だと思います。
 
では「 二重床 」は「 直床 」に比べて何が優れているから「 必要最低条件 」なのか、また「 二重天井 」は「 直天井 」に比べて何が優れているのから「 必要最低条件 」なのかを具体的に、これからじっくりと設計者の視点でお話いたします。
 
まず最初に、「 二重床 」が「 直床 」(じかゆか)よりも優れている事の御説明を致します。
 
結論を先に申し上げますと床の「 遮音性能 」が良い事です。
上階住戸の音が伝わりにくく下階住戸にほとんど影響を与えない事です。
 
床の「 遮音性能 」には「 重量衝撃音遮音性能 」と「 軽量衝撃音遮音性能 」の2つが有ります。
前者を「 LH 」と表示し後者を「 LL 」と表示しています。
この「 LH 」や「 LL 」の後に来る数字が少ない方が遮音性能は高いのです。
 
例えば「 LH 」に関して申し上げれば「 LH-55 」より「 LH-50 」の方が「 重量衝撃音遮音性能 」が高いのです。
 
そして「 LL 」も「 LL-45 」より「 LL-40 」の方が「 軽量衝撃音遮音性能 」が優れている
のです。
 
さてここで「 重量衝撃音 」とは具体的にどの様な音かを御説明致します。
「 重量衝撃音 」とは重い物を「 ドシン 」と置いた時の音や、小さな子供が飛び跳ねたりした時に発生する「 ドーン 」という音で「 低音 」なのです。
 
そして「 軽量衝撃音 」とはスプーンを落とした時の「 コーン 」という音や、椅子等を引きずる時に発生する音で「 中高音 」なのです。
 
「 直床 」ですと「 二重床 」に比べてこの「 重量衝撃音遮音性能 」と「 軽量衝撃音遮音性能 」がかなり劣るのです。
 
ちなみに、これに関しては逆の事を言っている人もおりますが、私は実際に体験を致しましたのでお話致します。
 
今から10数年前にある会社( 二重床メーカーでは無い )が川口で分譲マンションの同じ縦列の2住戸を購入し、我々建築家に上下階の音の伝わり方の実験をしてくれたのです。
 
結果は「 二重床 」の方が「 直床 」より上階の音をほとんど伝えない事が実証されました。
 
詳細の御説明致しますと、上階の3LDKの住戸の床の仕様は全てが「 直床 」でしたが1つの洋室だけを「 二重床 」に改築し、「 直床 」の洋室と「 二重床 」の洋室でスプーンを落としたり、椅子をひきずったり、また車のタイヤを落としたりころがして下階の同じタイプの住戸への音の伝わり方を検証したのです。
 
その結果、「 二重床 」の方が「 直床 」に比べて「 軽量衝撃音 」も「 重量衝撃音 」も私の耳では伝わってくる音がかなり小さく聞え「 遮音性能 」に優れている事を体験致しました。
 
この様な実験はよく実験室で行なわれる事が良くありますが、私は実験室での体験や計測値はあまり信用していません。
 
その時の実験は実際に建って入居しているマンションの上下2住戸で行い自分の耳で体験したものですから私自身は納得しています。計測値より耳で実際に聞いて比較したのですから確かです。
 
この様な「 二重床 」の方が「 直床 」よりも「 遮音性能 」が高い事を実際のマンションで実験に立ち会えた事は貴重な体験だと思っています。
 
この事に依って、私は自信を持って「 直床 」より「 二重床 」の方が「 遮音性能 」が高いと自信を持って申し上げられるのです。
 
更に「 二重床 」が「 直床 」よりも優れている事はもう一つ有りますが、それは次回にお話致しま
 
超大手や大手ディベロッパーは一流とは限らないと私は常に言っています。超大手や大手ディベロッパーに於いても私の価値観では一流は数社しか有りません。ほとんどが三流なのです。
 
一流のディベロッパーは購入者への配慮が行き届いたマンションを供給しています。具体例の一つとして入居後もなる耐久性やクレームの元である遮音性を高めています。
 
何度も申し上げています様に、不動産の分譲事業で一番大切なのは売主の信用と顧客に対する配慮です。準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとって「 超大手、大手ディベの寡占化 」に対抗し勝つ為には顧客への気遣い及び将来問題が生じないマンションを作り続ける事なのです。
 
但し、毎回注意していますが、商品内容の質やクレーム等で信用を落とすのは一瞬です。再度信用を築くには最低10年はかかります。この事もよく肝に銘じて下さい。
 
次回はフェーズ8の「 モノづくり 」第4項目の『 ハード面の重視 』25項目中の第6項目である『 「 二重床 」「 二重天井 」は必要最低条件―②  』に関してのお話を致します。
 
次回も期待して戴ければ幸いと存じます。
 
 
以上
 
 
 
 
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