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税務・会計

第15回 デジタル化で「経理の事務コストを大幅削減」する

賢い社長の「経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」

新型コロナウィルスの感染拡大で、企業における通勤、出張、会合など、社員の様々な移動が制限されています。
その結果、企業活動のデジタル化が5~7年程度、早く進んだと言われています。
政府も効率化やテレワーク推進のために、書類のデジタル化と脱ハンコを急ピッチで進めています。
そして2021(令和3)年度の税制改正では、税務もデジタル化に大きく舵を切ります。
デジタル化により帳簿や書類がペーパーレス化すると、経理事務が変わります。
様々な新しいサービスが提供され、経理の仕事を代わりにしてくれるようになっていきます。
中小企業にとって、経理の事務コストを大幅に削減できるチャンス到来です。
 
御社では、1カ月間に処理する紙の書類を積み上げると、何センチになりますか?
 
 
●令和4(2022)年から、全企業でペーパーレス化が加速する
「ウチは中小企業だから、ペーパーレスはまだ先だ」と、考えてはいませんか?
これまでは、帳簿書類を電子的に保存する場合、必ず税務署に事前申請して承認してもらわなければなりませんでした。
国税庁が定めたルールを厳守し、制度に適したシステム導入をしないと、帳簿書類の電子化はできなかったのです。
そのため、中小企業では会計ソフトを使用していても、帳簿書類は紙に印刷して管理するのが必須でした。
 
2022(令和4)年1月からは、帳簿書類の電子的保存に、税務署の許可が必要なくなります。
ペーパーレスのための税務署への事前申請や承認手続きがいらなくなるのです。
日本中のすべての企業が、来年2022(令和4)年から一斉にペーパーレスをスタートするのです。
 
御社では、いつからペーパーレスの準備をはじめますか?
 
 
●まずは紙の帳簿の印刷をやめる
ペーパーレス化のために、新たにシステム投資をする必要はありません。
現在使用している会計ソフトのままで、帳簿のペーパーレスが始められます。
市販されている会計ソフトや、クラウド上の会計システムであれば、基本的な要件は満たしているので問題ありません。
販売管理システムなどの業務システムも同様です。
 
つまり来年2022年からは、総勘定元帳や売上帳、仕入帳などの帳簿書類を紙に印刷して、バインダーにとじて、表紙やインデックスを付けなくてもよくなるのです。
財務会計や販売管理などの業務システムの中にデータとして保存し、PDF形式で出力しておくだけでいいのです。
 
今でも、紙の帳簿書類はほとんど使われていないのが現実でしょう。
経理担当者は、過去の取引を参照する際には、紙の帳簿をめくるのではなく、パソコンでデータを検索しています。
紙の帳簿は、税務調査のときにしか使われていないのです。
税務署のために印刷している紙の帳簿がなくなれば、コピー用紙代とプリンタのトナー代が不要になります。経理担当者の人件費が節約でき、書類の保管場所などの管理費用も削減できます。
 
最後に紙の帳簿を手に取って見たのはいつですか?
 
 
●領収書もペーパーレスに変わる
社内システムで作成している書類は、簡単にペーパーレス化ができます。
しかし、領収書は紙で受け取ることがほとんどです。
そこで、紙の領収書を電子的に保存するためのクラウドサービスが普及し始めています。
 
たとえば、社員が領収書をスマホで撮影して、データをクラウド上に保存する経費精算サービスがあります。
現在は領収書を受領してから3日以内に電子化し、その後に経理社員が原本確認しないと、紙の領収書を廃棄できません。
来年2022年からは、領収書は2カ月以内に電子化すればよくなります。
経理社員の原本確認も不要となります。
社員が1カ月分の立替経費を精算するときに、紙の領収書をまとめて電子化すれば済むようになるのです。
 
経理の仕事は、経費精算のクラウドサービスにアクセスし、画面で社員からの申請内容を確認し、承認する形式に変わります。
あとは、経費精算のクラウドサービスから会計仕訳が自動的に会計ソフトに転送されるとともに、社員への銀行振込データも自動的に生成されるのです。
 
今後は、キャッシュレスで支払ったときに発行される電子領収書も増えていきます。
わざわざ紙の領収書を発行してもらわなくても、電子のまま取引結果を受け取って、電子領収書として保管することが認められます。
 
御社では、紙の領収書をいつまで大切に保管しておきますか?
 
 
●請求書の支払いはAIに任せる
取引先から毎月送られてくる請求書の支払い業務も変わります。
請求書をAI-OCRで読み取りデータをデジタル化、後続の経理処理まですべてしてくれるサービスが提供されています。
AI-OCRとは、人工知能で画像データのテキスト部分を認識し、文字や数字データに変換する光学文字認識機能です。
 
社内で紙の請求書を受け取った人が、スマホで撮影(またはスキャナ保存)して、クラウド上の請求書処理サービスに送ります。
FAXで届いた請求書や、メールに添付されたPDFの請求書も、同様にクラウドサービスへアップロードするだけです。
 
AI-OCRが請求書の中身を判読して、相手先名、日付、明細、金額、税額、振込銀行口座などの情報をデータ化して、クラウド上に保管してくれます。
経理担当者が、請求データを確認して承認すれば、社内の会計システムへ仕訳が取り込まれると同時に、銀行振込データが自動生成されます。
 
毎月、紙の請求書を経理社員が1枚1枚見ながら処理している手作業が、データをデジタル化することによって自動処理できるようになります。
社内に高価なシステムを導入することなく、クラウド上のサービスを1枚単位で利用することが可能です。
請求書1枚あたり50~100円で処理してくれます。
 
すでにクラウド上の請求書処理サービスを利用している会社では、請求書はすべて電子請求書または専用メールBOXで受信するようになっています。
取引担当者や経理担当者は、それぞれテレワークで内容を検証して承認し、会計仕訳と振込処理は自動化されています。
経理社員が、郵便で届く請求書のために出勤する必要はありません。
 
御社では、紙の領収書をいつまで大切に保管しておきますか?
 
 
ペーパーレスが経理事務を無人化する
経理は500年以上、紙の領収書や請求書を見ながら、紙の伝票帳簿を作成するのが仕事でした。
経理にとって、ペーパーレス化は経理革命と言っても過言ではありません。
経理事務がデジタル処理され紙の書類がなくなるということは、、経理業務が無人化することを意味するからです。
 
これからの会社は、領収書や請求書を整理して帳簿をつけるために、事務要員を雇用する必要がなくなります。
そして、経理社員は事務作業から解放されます。
 
事務作業がなくなったら、経理社員になんの仕事をしてもらいますか?
 

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