複数社から5年以内に退職金を受け取る場合の注意点

複数の会社から退職金を5年以内に受け取る場合には、注意が必要です。
複数の会社を兼務している役員は、重複していた勤続期間について、退職所得控除を二重に適用することができなくなっています。
たとえば、A社とB社の役員を同時期に20年間兼務しており、昨年A社から退職金を受け取り、今年B社から退職金を受け取るとします。
今年のB社の退職金計算では、A社と重複している20年分の期間はすでに前回の控除で使ってしまっているため、今回の退職所得控除から除外されて計算されます。
結果として、B社からの退職金は課税される金額が多くなり、税負担が重くなります。
ですので、複数社の役員を兼務している社長は、それぞれの会社を退職する時期を5年経過後にするほうが、節税して手取りを多くできることを知っておきましょう。
中小企業経営者の場合、もう一つ注意しておきたいのが、小規模企業共済の共済金です。
小規模企業共済は、中小企業経営者のための退職金準備制度です。
解約時(役員退任時)に一時金として受け取る共済金は「退職所得」として扱われます。
この小規模企業共済の共済金も、会社から受け取る退職金と同様に、この5年ルールの対象になります。
一方、小規模企業共済の共済金は、年金のように分割して受け取ることも可能です。
この場合、税法上は「公的年金等の雑所得」となり、公的年金等控除が適用できます。
小規模企業共済の共済金を一括で退職金として受け取るか、分割で年金として受け取るか、どちらが有利かは、老後の所得や退職金額によりますので、事前に試算しておくといいでしょう。
いずれにしても、退職金を複数回受け取る可能性のある社長は、前もって時期と金額を調整して、税負担を少なく手取り金額が有利になるように計画しておきましょう。
退職金と年金の受給計画を具体的に試算していますか?


















