はじめに
スマートフォンで写真や動画を撮影する光景は珍しくなくなりました。確かに、常に携帯しているので、いつでもどこでも、メモ代わりに撮影したり、そのままTwitterやFacebookにアップロードも出来て大変便利です。
そんなスマートフォンが勢いを増す中、呑み込まれまいと進化を模索しているのが、本家とも言えるコンパクトデジカメやムービーカメラです。最近では、スマートフォンとの連携機能で、共存共栄を図ろうと、WiFi(無線LAN接続)機能を搭載し、画像データの転送だけでなく、新たな用途を提案する動きが出てきました。その”新機能”を仕事に活かさない手はありません!
そこで、本連載記事では、2回に渡り、最新のWiFi対応ムービーカメラである、JVCケンウッドのGZ-VX770を例に取り上げ、活用術をご紹介します。
今回の前編では、WiFiを利用した新しい機能に注目し、用途例を中心にご紹介します。
(次回の後編では、ムービーカメラの本分である動画撮影から、ネットへのアップロード、無料で手軽に出来る編集術をご紹介します。)
製品: JVCケンウッド GZ-VX770 (小売価格 6万円前後)
製品情報: http://www3.jvckenwood.com/dvmain/gz-vx770/index.html
外出先からオフィスの様子をチェック!
ムービーカメラと聞くと、外に持ち出して運動会、旅行、イベントやセミナーの様子を記録する用途が思い浮かびますか、最新のWiFiカメラは”持ち出さずに使える機能”が画期的です。
例えば、オフィスのモニタリング。オフィスにGZ-VX770設置しておくと、外出先からスマートフォンでオフィスの様子が動画でチェックできます。監視となるとやや抵抗があるかもしれませんが、小規模な事業所やSOHO環境で無人になる時間帯があったり、コワーキングスペースを間借りしている方なら、気になった時にいつでもオフィスやデスクの様子がチェックできるのは安心でしょう。
*外出先からiPhoneでオフィスの様子をモニタリングしているイメージ。
(専用アプリ「Everio sync.」は、iOS版、アンドロイド版が用意され、無料でダウンロード可能。)
この機能を利用するには、映像の発信側として、GZ-VX770に加え、WiFi(無線LAN)によるインターネット接続環境さえあればOK。パソコンなど、他に機材は必要ありません。
(GZ-VX770のWiFi及びインターネット接続は、ルーターの設定が必要なケースがあります。事業所等の大規模ネットワークなどを利用する場合は、事前に利用可能か確認しましょう。)
映像の受信側は、専用アプリ「Everio sync.」をインストールし、WiFiでインターネット接続が可能なiPhoneやiPadなどのiOSデバイスやアンドロイド端末、およびWEBブラウジングが可能なパソコンが利用できるので、特別に専用機材を購入する必要はありません。
(備考: 筆者が使用した時点で、iPhone版 「Everio sync.」は、WiFi接続が必須で、3G回線は利用できませんでした。3G回線を利用したい場合は、WEBブラウザ(iPhoneの場合、Safari)でモニタリングできました。)
その他、GZ-VX770には、フレームの中の顔を認識したり、動きを検知すると、静止画を撮影してメールを発信できる機能も備えています。常時モニタリングでなく、何かあった時、例えばオフィスやデスクに誰かが訪ねてきた時のみ知らせて欲しい場合に役立ちそうです。
(注: メール機能は、モニタリング機能と同時に利用できません)
倉庫、エントランス、ショールームをチェック
事業の規模や業態により、監視カメラを導入するほどではないけれど、デスクから倉庫、作業場、製造ライン、エントランスやショールームの様子をチェックしたい・・・というニーズもあるでしょう。
先述の外出先からモニタリングする要領で、お手軽なモニタリングシステムが実現できます。
また、隣室など数メートル以内の近距離で、GZ-VX770の電波が届く範囲なら、ルーターや無線LANの設備が無くても、WiFi機能を内蔵したスマートフォンやパソコンから直接接続して映像をモニタリングしたり、遠隔でズームや撮影などの操作も可能です。
さいごに
スマートフォンの普及で存在感が薄くなったデジタルカメラやムービーカメラですが、爆発的に普及するスマートフォンの周辺機器となる事で、以前にも増して身近な製品となるかもしれません。
次回は、GZ-VX770を一例に、動画の撮影、ネットへのアップロード、無料で簡単にできる編集術をご紹介します。動画を使って、Facebook等でのPRもより充実させましょう!