【写真】左がUSBメモリ、右がスティック型SSDの一例。ちなみにこのスティック型SSDは、指先サイズで500GBの容量を備えています。テレビやレコーダーの外付け録画媒体としても重宝します。
仕事にもプライベートにも、パソコンが必須の時代になりました。そこで重宝するのが「USBメモリ」で、皆さんもいくつか所有されていることでしょう。メールに加えクラウドサーバーも使い易い時代になりましたが、容器のような「モノ」として存在するUSBメモリにデータを入れる行為は、ヒトの感覚とマッチしていて分かり易いように感じます。今後もUSBメモリのようなメディアは存在しつづけることでしょう。
そんなもうあたり前とも言える「USBメモリ」すが、最近は少し異変が。それは、USBメモリと見た目と使い勝手が“ほぼ同じ”ながら、圧倒的に高性能な「スティック型SSD」の普及です。
「スティック型SSD」とは、外部記憶装置として存在感を高めている「外付けSSD」を、USBメモリ相当のコンパクトなスティック型に仕立てたもの。半導体メモリと言う点ではUSBメモリと似ていますが、規格が異なり、データの書き込みと読み出しが圧倒的に高速なのが特長です。
USBメモリもスティック型SSDも、製品によって性能が異なり、また接続する機器にもよりますが、ざっくりとした使用感として、スティック型SSDはUSBメモリよりも10倍くらい高速に感じるはずです。例えば、2GBの動画ファイル(スマートフォンの標準的な画質で20分相当)やプレゼンテーションファイル(写真が多め)を、PCからメモリにコピーするとしましょう。標準的なUSBメモリ(書き込み速度を30MB/秒強と仮定)の場合は約1分かかります。一方、スティック型SSD(400MB/秒と仮定)なら、5秒程度で済んでしまいます。近年は扱う映像の高精細化でデータが大きくなる傾向にあり、また、1日に数度、月に数十回同様の作業があるとすれば、SSDによる時短は、業務の合理化に繋がることでしょう。
因みに価格ですが、現在250GBの容量を持つスティック型SSDは1万円前後。同等の容量を持つUSBメモリが2千円程度で手に入ることを考えると、容量単位のコストは割高です。また、USBメモリは、もっと小容量で数百円で入手できる製品もあるので、用途による使い分けは意識したいものです。例えば、小さなファイルの受け渡しや、データを入れたメモリをそのまま差し上げる用途なら、USBメモリが適すると言えます。動画や写真を含む大きなデータを扱い、待ち時間にストレスを感じている方ならSSDを検討すると良いでしょう。
余談ですが、USBメモリやSSDは故障してデータにアクセスできなくなることがあります。消耗品と考え、重要なデータは別途バックアップをお忘れなく。容量の大きなSSDは、一度の故障で失うデータの量も大きくなりがちなので、なおさら注意したいものです。