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仕事術

第176回「もっと“安心”なモバイルバッテリーの選び方と使い方」

デジタルAVを味方に!新・仕事術

【イメージ画像】Geminiで作成

今や仕事や生活に必須と言えるスマートフォン。外出時に充電が可能なモバイルバッテリーも欠かせない存在となっています。しかし、利用者の増加と共に、発火事故も多数報告されるようになりました。火傷や住宅火災に加え、鉄道の運行に支障をきたすなど、社会問題に発展しています。

特に航空機では深刻な問題と考えられ、以前からルールが存在していましたが、2026年4月24日には、国際民間航空機関(ICAO)が定めた国際基準に沿い、日本でも国土交通省が新ルールを発表。違反すると航空法に基づく罰則が科される可能性もあるなど厳格化の方向に向かっています。

そこで、今回は、航空機持ち込みに関する“新ルール”の整理と、さらに、より安心してモバイルバッテリーを利用するための「製品の選び方」や「つかいこなしのアイデア」をご紹介します。


■航空機持ち込み“新ルール”
まずは厳格化された新ルールについて整理しておきましょう。以前からルール化されていた項目があったり、また詳細は最終的に各航空会社で定められますが、基本は以下の通りです。


1) 機内に持ち込み
預け入れ荷物にモバイルバッテリーを入れるのは禁止です。携行する際は手荷物として機内に持ち込む必要があります。機内であれば、異常が発生したとしても、早期に気づいて対処もできるためです。

2)容量 (Wh) と個数制限
機内への持ち込みは可能ですが、容量は「160Wh以下」のものに限られ、新ルールでは1人2個までに制限されます。この「160Wh以下」は、モバイルバッテリーに表示されている容量(mAh)と異なるので注意が必要です。製品購入時は、機内持ち込みが可能な製品か否かのご確認を。
容量が不明なバッテリーは持ち込みができません。

3) 収納棚に入れない
機内への持ち込みは可能ですが、座席頭上の収納棚に入れることは禁止です。持ち込んだモバイルバッテリーが手の届く範囲にあれば、異変が生じた際、早く気が付けるためです。

4)機内での「充電」は禁止
新ルールでは、機内でモバイルバッテリー本体への充電 (機内コンセント→バッテリー) も、モバイルバッテリーからスマートフォン等の電子機器への充電も禁止されます。以前は航空会社によっては許容されていた使い方なので注意しましょう。なお、機内設備のコンセントやUSB給電ポートからスマートフォンへの充電は禁止されていません。

5)ショート対策
端子部分のショートを防ぐため、モバイルバッテリーを収納袋に入れるか、端子部分に絶縁用のシールを貼るなどの保護が必要になりました。
モバイルバッテリー製品には原則ショート回避の安全機能が備わっていますが、航空機ではより高い安全性を求めることが窺えます。

■モバイルバッテリーの危険性
モバイルバッテリーはコンパクトなサイズにたくさんの電力をたくわえることができます。特に「リチウムイオン」タイプは、エネルギー密度が高く、言い換えると小型で大容量なので携帯用機器に適し、広く普及しました。製品にもよりますが、人気のタイプは、手のひらほどのサイズで、スマートフォンを2~3回満充電することができます。つまり、満充電したモバイルバッテリーは“エネルギーの塊”と言えるもの。筐体も可燃性の樹脂でできている製品の場合、発火すると、使い切りライター2~3個分に相当する熱と炎を発するので、こう考えると“かなりの危険物”とご理解頂けるでしょう。

もちろん、設計や製造の品質が万全なリチウムイオン電池やモバイルバッテリー製品は、指示通りに扱えば安全ですので、“選び方”や“使い方”が重要と言えます。

■安全な選び方~その1 「信頼できるメーカーの製品を選ぶ」
リチウムイオン電池はエネルギー密度が高い分だけ危険性も高いと言えますが、スマートフォンが発火問題を起こすケースは非常に稀です。設計や製造の品質が高ければ、リチウムイオンタイプも安全に利用できるということです。スマートフォンの殆どは大手メーカーが手掛け、品質管理の水準が高いことが窺えます。

一方のモバイルバッテリーは、玉石混交と言える状態。ネット通販で非常に安価な製品も手に入れることができ、その中には品質が低いモノも混ざっている可能性があります。品質基準の低い工場が存在したり、信頼されているメーカーを摸倣したニセモノも存在するので油断は禁物。ユーザーとしては品質を見分ける術は無いので、「信頼できるメーカーの製品を選ぶ」のが安心への第一歩と言えます。なお、不良品はゼロにはできないため、リコールが迅速かつ効果的に行われるメーカーも、信頼できるメーカーと言えます。リコール対象の製品は速やかに対応を。航空機への持ち込みも禁止されています。

■安全な選び方~その2 「より安全なタイプを選ぶ」
リチウムイオンタイプは「小型で大容量」が魅力ですが、使用している電解液と呼ぶ物質が可燃性の液体のため、構造や製造時の品質によっては危険性が増してしまいます。上述の通り、信頼できるメーカーの製品だとしても、危険物であることには変わりなく、落下などによる破損が事故に繋がる可能性があります。

現在は、リチウムイオンタイプよりも総合的に安全性が高いとされる「ナトリウムイオン」タイプや、リチウムイオンタイプでも電解液をゲル状の素材に変えて安全性を高めた「半固体」タイプを使用したモバイルバッテリーも製品化され、注目を集めています。

究極は可燃性の液体を使わない「全固体」タイプと言われていますが、現時点でモバイルバッテリーとして製品化されているのは極稀です。

【ナトリウムイオンタイプの製品例】
エレコム「DE-C55L-9000BK」

https://www.elecom.co.jp/pickup/contents/00113/

関連記事: 第166回 安全性が高いナトリウムイオンバッテリーが登場(https://plus.jmca.jp/kou/kou166.html


【半固体リチウムタイプの製品例】
エレコム「DE-C86-10000BK」
https://www.elecom.co.jp/products/DE-C86-10000BK.html

■安全な使い方~その1 充電中は特に注意
モバイルバッテリー発火事故の多くは、モバイルバッテリーへの充電、または、モバイルバッテリーからスマートフォンなどへの機器への充電時に起こっています。航空機内での充電が禁止されるのも頷けます。

なお充電時は発熱を伴うので、熱がこもらないよう注意し、燃えやすいモノからできる限り遠ざけ、さらに異常に直ぐに気が付けるよう、目を離さないようにしましょう。
最悪な例としては、就寝中、布団に覆われているような状態が考えられます。

■安全な使い方~その2 高温状態を避ける
充電中でなくとも、高温になると、モバイルバッテリーが発火や爆発する事例が報告されています。自動車内に放置しないようにしましょう。特に夏場に駐車した自動車内は、40℃を超えるケースは多々あり、こうした使い方は製品仕様として禁止されていることが殆どです。

■安全な使い方~その3 衝撃を避ける・異常時は使用を止める
一定の品質の製品も、落下などの衝撃によって内部に異常が発生し、事故に繋がる可能性があります。落下のように強い衝撃を与えたり、ポケットに入れたまま座って曲がるようなストレスを与えないよう注意しましょう。また、バッテリーが膨らんだり、利用できる時間が極端に短くなる、充電中の発熱が大きいなどの異常を感じた際は、使用をやめるようにしましょう。

■さいごに より安心のために、満充電を避ける
品質の良いバッテリーは100%充電でも問題ありませんが、バッテリーも「腹八分目」がより安心です。長期間使用しない場合は、放電して30%くらいにしておくのも一案です。満充電に比べて蓄えているエネルギーも少ないので、その分安心です。
筆者宅では長期間外出する際、リチウムイオン電池を搭載してしるロボット掃除機やハンディクリーナーのバッテリーも、充電残量を50%以下にするよう心掛けています。

今や欠かせないモバイルバッテリー。危険性を理解して安全につかいこなし、毎日の生活を便利に送りたいものです。

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