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危機への対処術(7) 危機の指導者の条件(ウインストン・チャーチル)

指導者たる者かくあるべし

 3.徹底した現実成果主義

 チャーチルに見る危機のリーダー像も、独りよがりに終われば、ただの独裁者に過ぎない。国民の前に誓った危機からの脱却=「勝利」を手にしなければ意味がない。そのために、チャーチルは成果重視の徹底した現実主義を貫く。


 効率的な戦時行政組織を組み立てて、情報を効率よく官邸に上げさせ、対応策を即時打ち出す体制整備を行った。


 その上で、部下たちには議論のための議論を禁じる。何ができないか、ではなく、どうすればできるかを立案、報告させた。


 戦時中にチャーチルが部下に出した、あるメモランダムにこう書かれているのは象徴的である。「最善の解決策を示してくれ。問題の難しさを議論する必要はない。難しさは最初から判りきっている」


 危機のリーダーシップの下では、組織員ひとりひとりも危機の対応が求められる。当然のことなのだ。

(書き手)宇惠一郎 ueichi@nifty.com

 

※参考文献
『第二次世界大戦2』W・Sチャーチル著 佐藤亮一訳 河出文庫
『ダウニング街日記(上)首相チャーチルのかたわらで』ジョン・コルヴィル著 都築忠七ら訳 平凡社
『危機の指導者 チャーチル』冨田浩司著 新潮選書
『戦時リーダーシップ論 歴史をつくった九人の教訓』アンドルー・ロバーツ著 三浦元博訳 白水社

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