こんにちは、朝晩は秋風を感じるようになりました。変わりなくお過ごしですか。
先日、あらたまった書き方が知りたいという要望を受けました。具体的には、敬語のランクを一ランク上にあげたより丁寧な書き方が知りたいとのこと。敬語のランクを上げることで、より丁寧に気持ちを伝えたいだけでなく、クレームにつながりそうなときや事情があってお願いを断りたいときなどに、相手に尽き入る隙を与えない書き方が知りたいのだそうです。非常にむずかしいですが、大切なことですね。
今回はこの「あらたまった書き方」をいくつかご紹介します。
敬語のランクを上げる
■いつもお世話になっております
→いつも格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます
→平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます
■お元気ですか
→お健やかにお過ごしのことと存じます
→益々ご健勝のことと存じます
■ご無沙汰しております
→長らくの無沙汰を謹んでお詫び申し上げます
→不本意にも長らく無沙汰にしており、失礼いたしております
■先日は〇〇をお送りいただき、ありがとうございます
→先日は〇〇を頂戴し、心より拝謝いたします
→先日は〇〇をご恵贈いただき、恐縮に存じます
■まずはお礼まで
→略儀ではございますが、まずもってお礼申し上げます
→本来であればお目にかかってご挨拶いたすべきとは存じますが、まずもって書面にて謹んで御礼申し上げます
■おめでとうございます
→恐悦至極に存じます
→慶賀の至りに存じます
■美味しかったです
→大変、結構なお味でした
→舌鼓を打ち鳴らしました
■あいにく出席できません
→誠に不本意ながら、出席が叶いません
→大変遺憾ではございますが、出席が叶わずお詫び申し上げます
■本当にすみませんでした
→謹んでお詫び申し上げます
→慚愧に耐えず、心より陳謝申し上げます
■どうかお許しください
→どうかご容赦いただけますと幸甚です
→何卒、悪しからずご海容くださいませ
■これからもよろしくお願いします
→この先も倍旧のご厚情を賜りますようお願い申し上げます
→今後も格別なご厚誼を伏して懇願申し上げます
■お体にお気をつけください
→ご自愛専一に
→くれぐれもご自愛くださいませ
→くれぐれも健康にご留意されますよう、謹んでお願い申し上げます
このひと言で安心「心より」「謹んで」
■心より/衷心より
「感謝いたします」「お詫びいたします」などの前に「心より」をプラスすると、より丁寧な印象に。また、「心より」を「衷心より」とすると、さらにあらたまった感じになります。「衷心(ちゅうしん)」とは「心の底」を意味します。
■謹んで
「謹んで御礼申し上げます」「謹んでお詫び申し上げます」「謹んでお悔み申し上げます」など、「謹んで」をプラスすると、すべての場面においてワンランク上の敬意を伝えられます。ほかにお祝い、お願い、受諾、辞退などあらゆる場面で使えます。
■至極(しごく)
「至極」とは、この上ないこと、極限に達していることをいいます。時代劇などで耳にする「恐悦至極に存じます」とは相手に敬意を払い大変喜ばしく思うという意味。同じように、「感謝してもしきれない」ときには「感謝至極に存じます」という表現もできます。