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製造業

第229号 新商品開発は長期繁栄の要

柿内幸夫─社長のための現場改善

 私はほとんどの場合、仕事日の前日に指導先の近くに移動しますが、もし時間があれば近所を散歩します。
 しかし、私は自分でも呆れる程方向音痴でして、時々道に迷います。それでも、下の写真のように、地域によっては非常に分かり易い地図がそこここに掲示されていることがあり、非常に助かります。(上:三島、下:大阪にて撮影)

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  さて、今回も引き続きレベル6についてお話しします。

 レベル0:ダンゴ生産

 レベル1:工程内の流れ

 レベル2:工程間の流れ

 レベル3:工場内の流れ

 レベル4:工場間の流れ

 レベル5:お客様への流れ

 レベル6:一気通貫の流れ

 先回のコラムで、レベル6になると、製造業といえどもマーケティングが必要だと書いたところ、読者のSさんという方から、「急にそう言われてもどうしていいか分からない」という嘆きのメールを頂きました。

 確かに、急に言われれば困るだろうと思います。しかし世の中の大きな変化は急に始まったわけではありませんし、これからも絶対に止まりません。よって、のんびりしていないですぐに変わり始めなければ、結局は置いていかれるということも間違いありません。

 ずいぶん昔、植木等さんの大ヒット曲で「スーダラ節」という歌がありました。歌の歌詞ですから、あまりマジに突っ込むのもどうかと思いますが、中に「わかっちゃいるけどやめられない♪」という歌詞がありました。

 私も当時はよく歌っていましたし、もちろんその気持ちは分かります。しかし、やはりこれは「本当の怖さが分かれば絶対やめられることだけど、まだ分かっていないからやめないでいる」ということです。

 個人のことでしたらそれは個人責任で自由ですが、組織となると、多くの従業員の将来の生活や社会的な責任があるのでそうはいきません。

 そして今回はその逆、「わかっちゃいるけど、始められない♪」でしょうか。はやく分からないといけないんですが...。

 ところで、私の指導先で、例えば自動車部品を作っているC社は、これまで自動車という大量そして平準化された状態で継続的に商品を供給する業界にいたので、特に自社での新商品の開発や新規顧客の開拓はしていませんでした。

 しかし社長のK氏は、今後、自動車の国内生産は減り、同時に海外生産は増えることは間違いないと判断しました。

 そこで、国内工場の生産・販売を維持するには自社の得意技術を生かせる自動車分野以外の新規顧客の拡大が必要と考え、社内を大改革して新たに新規顧客開拓のための営業部門を立ち上げました。

 今でも大変にご苦労されていますが、徐々に成果が出始めており、私は変化に対応しているなあと思っています。やはり始めてみないとその本当の厳しさは分からないし、その厳しさを知らなければ前に進めないとはK社長の言葉です。

 新規のお客様から既存商品でご注文を頂こうとすると、当然ですがものすごく厳しい値引きが求められます。

 そこで、お客様の方から販売の依頼が来るような新しさのある商品を持つ必要があるのですが、それを考えることが難しい。

 C社もそこで七転八倒していました。しかし、お客様にどうしたら当社に注文を下さるかという話をし続けているうちに、こういうことを解決してくれればありがたいといった「お客様のニーズ」を聞き出すことができ、それをテーマにして開発を始めたところ、本来のC社の技術が活用できて、もうすぐ新商品に結びつきそうとのことでした。

 しかし、この話では冒頭のSさんに対する答えにはなり切っていないと思います。次回はもう少し入りやすいレベル6についてお話しします。 

kaki229-3.gif

copyright yukichi

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net 

 

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