もうすぐお正月ですね。(その前にクリスマスがありますが…。)
お正月といえばお餅!と思うのは年配の方かもしれませんが、私は先日同年代の仲間と子供のころのお餅の話で盛り上がりました。
年末になると、つきたての四角い伸し餅(のしもち)と呼ばれる大きなお餅が数枚、お米屋さんから届けられます。まだ柔らかいので家族でキャーキャー言いながら包丁で小さく切りました。すぐに切らないで後回しにすると固くなって切れなくなってしまいます。
問題はその次で、いくらおいしいお餅でもたくさんあるのでとてもすぐには食べきれず、気が付くとお餅に緑や黒のカビが生えているのです。
ポイントはそこです。ナゼかびたのか? 答えは簡単で当時は冷蔵庫はもちろんですがラップやビニールの袋も無かったからです。今だったら何でもないことですが、私が子供だった頃には何にもなかったのです。
私の家には、テレビ、電話、蛍光灯、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、自動車、エアコンなどはありませんでした。暖房も炭を使うこたつと火鉢のみで、石油ストーブはまだありませんでした。
こう言うと私がとても貧乏な家庭に生まれたとか、あるいは江戸時代に育ったと思われるかもしれませんが、これがわずか60年前の極めて普通の家庭の様子です。
そこで今回のタイトルの話になります。
【急所101】改善に終わりはない。
現在、世界屈指のモノづくり企業も、昔から強かったわけではない。創業期には数名しかおらず、地道なモノづくりと改善の積み重ねで徐々に力をつけ、今日に至った企業が大半だ。
我々の身の周りには、実にいろいろな製品があるが、たった十年前でさえ無かったモノも多い。200年前は、自動車もカップ麺も鉄道もコンクリートのビルもない。すべてモノづくりの地道な努力の結果なのだ。
現在強い企業でも、それに安心して努力を怠ればすぐにライバル企業が追いついてきて、そして追い抜かれてしまう。これまでに無い技術を育て、喜ばれる製品を生み出すために日々、改善を続けることこそ、モノづくり企業の使命である。世の中は常に変化し続けるものなのだから、改善にも終わりはないのだ。
世の中は変化し続けます。私たちのモノづくりも世の中の変化のスピードと同じか、あるいはちょっとだけそれよりはやいスピードで変化し続ける必要があります。
東京オリンピック開催まで5年をきりました。オリンピックに向け公共投資が続きますので景気は維持されますが、その間に日本の人口は減り続け、マーケットの縮小、労働人口の減少など、モノづくりには厳しいことが確実に起き続けます。
すなわち、オリンピックの終了の後の世の中の状況はかなり厳しいと考えておいて、今の間にその時にビクともしないモノづくり体制を完成させておくことこそ大切なのです。
人材の育成、生産性の向上、品質の向上、在庫の削減、リードタイムの短縮、新商品の開発、新しいマーケットの発掘、などするべきことはたくさんあります。現在がどんなに忙しくても、必ずやりましょう!
そのための方法ですが、社長はもちろん、製造、営業、技術、管理、そしてベテランから新人も含めたみんなが現場で現物の前に集まって、それぞれの人がそのモノについての自分の役割ややりたいことをワイワイガヤガヤとおしゃべりをします。そしてみんなで全体を把握し、その上で全体最適の改善をその場で実行することをお勧めします。
これが極めて日本的な、日本のモノづくりが本来得意とする改善実行のやり方だと思います。私はこれを「知のすり合わせ」と呼んでいます。「KZ法」もそのひとつです。
私は最近自分の会社のロゴを作りました。そして作業服にも貼り付けました。改善君を中心にみんなが改善を一緒に進める絵です。(下の写真の真ん中が改善君、向かって右うしろは社長、そして左うしろは私です)。これが私たちの改善の姿だと信じています。
さて、324回にわたって連載して参りました「社長のための現場改善」ですが、今回が最終回となります。実に13年間にわたりお付き合いくださった皆様に心よりの感謝を申し上げます。
私は製造業に携わる皆様とご一緒に、日本の製造業を再び世界の製造業のリーダーへと復活させたいと本気で思っています。これからもご一緒に頑張りましょう!
私たちはこれからも仲間です、もし分からないことや知りたいことなどありましたらどうぞご遠慮なくメールをして下さい。必ずお返事いたします。
もし街中で写真の作業服を着ている私を見つけたら声をかけてください。お茶しましょう。
それでは皆様、どうぞお元氣でますますご活躍ください!!