「ブルーベリーフィールズ紀伊国屋」(滋賀県・堅田)
滋賀県の堅田という片田舎の山奥にブルーベリーフィールズという知る人ぞ知る店がある。
オーナーの岩田さんは35歳の時にわけあって、農家から土地を譲り受け、この土地に移り住む。最初はブルーベリーを栽培したが、それだけでは やっていけないので、ジャムを作り始めた。
あるとき、知り合いにお金をいただいて料理を提供した。それがきっかけで、お客さんがお客さんをよび、25年くらいの年月を経て今の店になっ たそうだ。
社長の岩田氏に「こんな辺鄙な場所でなく、もっといい場所で商売しようと思わないんですか?」と尋ねると、「こんな辺鄙な場所にわざわざ来て いただけるから、この自然のすばらしを体感できるし、その自然のすばらしさ抜きにはこの店の良さは演出できない」という。
よく、地方で繁盛していて都会にマーケットを求める場合がある。しかし、そのオーナーはマーケットというに踊らされている気がする。店という のは様々な要素で構成されている。料理、店の空間、サービスマン、実に多くの要素で構成されている。その中で絶対落としてはならないのはお客さんだ。ブ ルーベリーファームにはあのすばらしい、自然を求めてやってきているお客さんが雰囲気を作っている。決して都会の有機野菜バイキングの店にいるようなミー ハーなフォロアーではない。フォロアーは世の中の意見を迎合し、大衆マーケットを作り上げが、しかし、フォロアーの侵入が始まったと同時に、店はピークを 迎え新鮮さを失う。
25年経った今でも、ブルーベリーファームのお客さんは、何かを求めて、ちょっと行ってみたイノベーターや、人に見せたくてだれかとやってきた アーリーアダプターだ!だから、ほとんどの飲食店やコンサルタントに知られていない。そして、知られる必要もない。ずっと、堅田という地で咲き続けるので ある。
ちなみに、先月日経BP社より発売された「小さな飲食店が成功するための30の教え」のおまけDVDで、このブルーベリーフィールズさんをご 紹介させていただいた。ご興味があったらぜひ見ていただきたい。