皆様、新年おめでとうございます。本年も私のコラムを御笑読戴ければ幸いです。
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- 第40回 「埋蔵文化財包蔵地」はお金と時間がかかるので購入しない方が良い。
さて、今回はフェーズ6「 土地の仕入れ 」の大切なポイント七項目最後の第七項目『 埋蔵文化財包蔵地はお金と時間がかかるので購入しない方が良い。 』のお話を致します。
前回はフェーズ6「土地の仕入れ 」の第五項目『 工場跡地は土壌汚染を調査してから購入する事. 』の大切さを私の今までの経験を通して具体的に御説明致しました。前回では分譲マンションや建売戸建の用地選定では工場跡地は2002年に「 土壌汚染対策法 」が制定され土壌汚染に依る「 土壌汚染状況調査 」の実施を行い地方自治体に報告し、指定基準に不適合の場合は汚染された土地の「 汚染除去工事 」を行なわなければ、建物が建てられなくなったので、時間と費用がかかる事の御説明いたしました。
特に準大手や中堅ディベロッパーが新規分譲マンションや建売戸建の事業をいたします時に時間とお金がかかる土地を購入致しますと、かなりリスクが高いと御説明致しました。
今回はフェーズ6「 土地の仕入れ 」最後の第七項目です。毎回、申し上げていますが、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとっては用地の仕入れを誤れば会社の存続にかかわります。ですから、今回のタイトルも『 埋蔵文化財包蔵地はお金と時間がかかるので購入しない方が良い。 』に致しました。今回も私の今迄のマンションや建売戸建の設計業務の経験に基づいた提言です。準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーはこれから用地仕入れをする場合には『 埋蔵文化財包蔵地はお金と時間がかかるので購入しない方が良い。 』の御説明を致します。
毎回、申し上げましていますが、私は2000年に体調を崩し「 東急設計コンサルタント 」設計部長を辞し退職致しました。「 東急設計コンサルタント 」在籍中に数多くのマンションの設計・監理の経験が現在では私の財産です。そして、2002年に「 碓井建築オフィス 」を設立し、その後現在までに十数社の準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの分譲マンションや建売戸建団地の用地買収のコンサルティングも数多く行いました。
これらの経験を踏まえて、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの用地取得担当の方に申し上げたいのは、今回も用地選定では「 埋蔵文化財包蔵地 」はお金と時間がかかるので絶対に購入しない事です。
たまに、分譲マンションや建売戸建団地の購入予定用地が「 埋蔵文化財包蔵地 」になっているケースがありますので、まずは地方自治体に行って絶対に調査すべきです。
地方自治体の教育委員会に行き「 文化財保護法 」に依り購入予定地が「 埋蔵文化財包蔵地 」かどうかを事前に届出をして判断をしてもらいます。
その結果「 埋蔵文化財包蔵地 」と裁定されたならば、発掘調査を行って遺跡の記録を残し( 記録保存 )その経費については事業者負担になります。
この発掘調査や記録保存は時間がとてもかかり、私の経験では発掘調査費用も敷地の広さに依っては億単位のお金がかかる場合がありましたので要注意です。また、発掘調査にかかる時間が1年以上の場合もありました。一番参りましたケースは「 貝塚 」が発掘されて、建設不可になり地方自治体に安い価格で買い取られた事でした。
特に準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとっては大変な負担です。君子危うきに近付かずです。
ですから「 埋蔵文化財包蔵地 」には絶対に手を付けては駄目です。肝に銘じて下さい。
次回は立地環境に関してのお話をいたします。次回も期待して戴ければ幸いです。
PS:小生、昨年末に講談社より「99%のマンションは買う価値なし!」という本を上梓致しました。御読み戴き、私が良いと言っている条件を満たし、1%の買う価値の有るマンションを供給してください。読後、に感想や御意見がございましたら、このコラム下に有ります「碓井民朗氏の経営コラムに関するお問い合わせ」にアクセスして下さい。お待ちしています。
以上
碓井民朗