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第8回 こだわりを売り上げにリンクさせる理念経営者とは?~事例:ホールフーズマーケット

オンリーワンで勝ち残る企業風土づくり

多くの企業(お店)が、"こだわり"があるにもかかわらず、オンリーワンになれないのは、ポジショニングを獲得し、ブランドを構築することで、利益を生み続ける(=経営を継続させる)仕組みを確立できず、ブランドを浸透させるための期間(大体3年間)、企業(お店)が存続できないからです。

利益を生み続ける企業(お店)には、必ず"こだわり"を遂行する過程で、大義を掲げ、現場の情熱(=エネルギー)を生み出すことで、経営理念を軸に企業風土を戦術化し、オンリーワンのポジションで利益を生み続けることができる経営者が存在しています。
 
そこで今回から全三回シリーズにて、"こだわり"を<ここしかない、今しかない、私しかないという-売れる仕組みと取り組み>と<独自性・賑わい・調和(組み合わせ)-買いたくなる仕組みと取り組み>に結びつけ、企業風土を戦術化した経営者だけが実践した経営判断を、実践事例で解説いたします。
 
コアバリュー(価値観)~

健康、環境を切り口にアメリカで消費者に「なくてはならないお店!」と言われるホールフーズマーケットという企業があります。
ホールフーズとは、「まるごとの食べ物」を指し、同社は、アメリカで最も健康な素材(出所の分かる)を提供する企業として"なくてはならないお店"の地位を不動のものにしました。
現在2012年同社は米国を主にイギリスも含め、311店舗展開し、1000店舗達成へ向けてイギリスの出店を加速し、カナダへの進出のアクセルをも踏み始めていますが、米国で小売業売り上げランキング43位 101億ドル(約1兆円)になる巨大企業がいかにして経営理念を現場にまで浸透させ売り上げにリンクさせているのでしょうか。
 
<ミッション実現をコアバリューで戦術化する>
同社のミッション(会社の存在意義)は、ホールフーズ自然な食品、ホールピープル健康な人々、ホールプランネット健全な地球を実現することです。
食料品店ならどの会社も掲げるべきミッションですが、なぜ同社だけがアメリカで先述のミッションでオンリーワンになれたのか?
その秘密は同社がつくり上げた"価値観<コアバリュー>"が常に進化し、売り上げにつながる仕組みを構築しているからです。
 
・・・7つのコアバリュー(価値観)・・・

1・出来る限り最高でナチュラルなオーガニック製品を売ること
2・顧客を満足させ喜ばせること
3・チームの仲間の幸せと活躍を応援すること
4・利益と成長を通して富を創造すること
5・地域社会と環境に注意を払うこと
6・取引先と継続的なウィン・ウィンの関係を築くこと
7・健康な食事に関する教育を通じて株主たちの健康を増進すること
*1から5までは1998年、そして6と7は98年以降に追記された価値観
 
ホールフーズの成長は、同社の経営者の経営判断の軸が、顧客満足(2・顧客を満足させること)と、取引先満足(6・取引先)と株主満足(7・株主)の3つによりミッションの実現へ向けてブレていないと消費者が認めたからです。
 
同社は、ミッションを実現するための<コアバリュー(価値観)>を上述のように時代に合わせ進化させ、6と7の価値観にこだわることで、継続可能な流れを取引先と構築し、株主に健康の大切さに気付いてもらう啓蒙活動を実施した結果、新規顧客が同時に新規株主となっています。
上場企業である同社は、まずは投資家である既存の株主の納得を勝ち取ることが必須ですが、同時に同社は、株主を健康にするというメッセージで株主からの口コミを起こし、利益だけを重視しない株主を増やし、ミッションを実現しようとしています。
(同社は従業員の持ち株制度も導入しているので、会社の成長は従業員の資産アップを意味する)
 
"なくてはならないお店"ホールフーズマーケットは、従業員を含め、投資家の投資を増大させることで、本気で、"地球を健全にすること"を日々実現しようと現場が一体となり努力し、成長へとベクトルを1つにしているのです。   

                                                                  

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